お知らせ

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第10回「吃音のつどい」を開催しました!!

お知らせ 2024年2月1日

第10回 「吃音のつどい」を開催しました!

 「高学年のつどい」 *今回は、高学年の親子を対象に実施しました。

令和5年12月28日(木)10:00~12:00

*内容*

卓球大会

当事者(子どもたち)の交流会

保護者の交流会

 

第9回の吃音のつどいで、高学年のお子さんの保護者から、「そろそろ、当事者の子どもたちを主体としたつどいを開いて欲しい。」というご要望が出ていたので、その後高学年の保護者の方と、どんな会にしたらよいか“作戦会議”を行いました。加えて、市内の小学校の言語通級で吃音の児童を指導されている先生方にもご協力頂き、昨年末、初めて、子どもが主体のつどいを開催することができました。

作戦会議の中で、保護者の方から、自分たちの子どもより少し大きい子の話を聞きたいというご意見がありましたので、どんぐりでの相談暦のない、高校生当事者の親子さんをお招きしてお話を聞くことになりました。初めての試みで、上手くいくのか直前まで心配でしたが、案ずることなく、今回もとても充実したつどいになりました。皆さまのご協力に心より感謝いたします。

小さいお子様をお持ちの保護者の皆さまにはお声かけしませんでしたが、紙面にてその様子をお知らせしたいと思います。

まとめに時間がかかり、遅くなってしまったことと、今年度2回目となる通常の「吃音のつどい」が年内に開催できませんでしたことを重ねてお詫び申し上げます。来年度も、引き続き「吃音のつどい」を開催していく予定ですので、皆様のご参加お待ちしています。

 

1.子どもたちの交流会  

参加者:高1(ゲスト)、小6、小5(3人)、小4

進行:安田・横枕先生(蘇原第一小通級担任)

 

ダブルス卓球大会:アリーナでウォーミングアップ。スポーツをやっている子が多いだけあって、ラリーがすごく続き、白熱したゲームとなりました。

②「すごくすごろく」(吃音の子ども向けに作られた教材)※蘇原第一小学校から借用

・すごろくをしながらおしゃべりして、雰囲気を温めました。

・『カードを引く』というところにコマが止った人は、質問カードを引き、それにみんなで答えていくゲームです。カードには、「好きな教科はなに?」とか、「ケーキ、アイスクリーム、おせんべい、今食べたいのはどれ?」といった軽い質問から、「やわらかい声で『おはよう』と言ってください」(吃音が出にくい話し方)や、吃音に関する質問までいろいろな質問が書かれています。普段から親しくしているというメンバーではなかったのですが、時間がたつにつれてみんなだんだんリラックスして自然に話す様子が印象的でした。

*すごろくの質問で印象に残った子どもたちの回答を抜粋して紹介します。

Q.「吃音が出るとき、体のどこに力がはいりますか?」

→「緊張しない」「心臓」「肺」

Q.「人に言われたらとてもうれしくなることばは?」

→「ありがとう」「大丈夫」「好きです!」

Q.「困ったとき誰に相談しますか?」

→「家族」「親」「相談できない。するのが怖い。」

Q.「『どうしてそんな話し方をするの?』と友達に聞かれたら何と答えますか?」

→「生まれつきそうなってるから」「頭が真っ白になった」「小さいころなら『知らん』と答えた」「噛んじゃった」「でも、この前それ言ったら、『噛みすぎじゃね?』って言われた」

Q.「小さい子があなたの話し方を聞いて笑ったらどうしますか?」

→「無視!」「小学生の頃は切れてた。」

Q.「話しやすいのは誰ですか?」

→「家族」「友達」「鉄友(鉄道好きの友達)」

Q.「ことばを言い換えることがありますか?」

→「ない」「あります」例えば…、「サ行が言いにくいので、発表するときは事前に文を書いて他のことばに言い換える準備をする」「4・7・9が言いにくいので、いつでも『よん・なな・きゅう』と言うようにしている」「前は、とっさに言い換えたりしていたことがあるけど、今はないかな」「同じ意味のことばを考えて言い換えるように意識している」「事前に読むとか言うことがわかっていれば、準備する」「ことばが一番の敵だ!」

Q.「どもるのを治す薬があったら飲んでみたいですか?」

→「飲みたいです」「別に」「飲みたいけど成分が気になる」「厳密にいうと危ない薬じゃないの?」「飲みたいと思う気持ちはあるけど飲まないと思う」

Q.「どもった時どんな気持ちになりますか」

→「ヤバイ、終わったなと思う。自分で自分を責めちゃう。」「蟻地獄」「イラつく」「じれったいなあ、早くしろと自分に対して思う。」「結構目立つ感じだったら嫌な気持ちになるけど、ちょっとだったら何とも思わない。」

Q.「吃音について知りたいことがありますか?」

→「医学的になんで(吃音に)なるのか知りたい。どういう仕組みになっているのか。」「吃音のない人と体の仕組みがどう違うのか。」「知ってみたいけど、知ってどうするんだって話になる。」「治せるかってことだよね。」

Q.「答えがわかっているのにそれを言うと詰まりそうなときあなたは手を挙げますか?」

→「挙げる!」(複数名即答)「成績のために手を挙げまーす!」「挙げない」「ちょっとだけ手を挙げる」「教科による」

Q.「朝昼夜のいつが話しやすいですか?」

→「夜」「ぼくも夜かな」「逆だな、夜が一番詰まる」「別に関係ない」「昼が話しやすい」「朝」

 

*大盛り上がりで終了。ちなみに一番盛り上がった質問は、「好きな給食のメニュー」でした。

・(あったまったところで…)先輩に何でも聞いてみようコーナー

・自分の学校のクラス数などを紹介して規模について情報交換したところで、今回のゲストの先輩に口火を切ってもらいました。

安田:初めに、小学校の時の事を先輩に話してもらいたいと思います。

先輩:小4の頃、二分の一成人式があって、自分が将来どういう職業に就きたいかということを話す機会があったが、自分はその時吃音があってうまくしゃべれないから、社会人として働いたときに吃音があったらダメな人間じゃないかと自分で自分を責めていた。自分の中でつらい時期だった。そんな中で、通級の森先生に、「うまく話すことよりも伝わることが大切だ。」ということを教えてもらった。それまで、自分はうまくしゃべろうとしていたが、先生のことばで考えが変わり、気持ちが楽になり学校が楽しいと思えるようになった。毎年学年が上がるにつれて、人前でしゃべる回数が増えていくので辛いと思うこともあったが、小6は自分の中では楽しかった。学校での活動が中心になり、自分がやりたいことをみんなと一緒にできることが楽しかった。

安田:中学校で生徒会長されていたと聞きましたが、小学校の時も何かされていましたか?

先輩:小学校の時は、やってみたい気持ちはあったが、怖くて自分ができるはずがないと思っていた。中学校では、班長をやっていてその後、クラス長(学級委員)をやっていた。クラス長は朝や終わりの会で、その日の目標を言ったりする仕事があり、それがきつかった。ただ、それまでは人前でしゃべるのが怖いと思っていたが、中学の先生からの助言もあり、吃音は自分の一部であって、自分の全てではないから、そういう特徴があるけれどほかにいいところもあると自分に言い聞かせ、ちょっと気持ちが楽になった。

Q.小学校で吃音で詰まる時、ストレスをどう解消していましたか?

先輩:ストレスはたまっていたが、解消する方法がわからなくて、ちょっと荒れていた。小3~4頃は、授業中教室を抜け出してボール遊びをしたりしていた。担任とはよい関係ではなかった。家族が心配してくれたが、自分は家族に迷惑をかけたくないと思い、親のサポートを振り払っていた。

※先輩の母からの付け足し発言あり:この学年は、その時期クラス全体が学級崩壊状態で、皆が担任の言うことを聞かなくなっていたので、うちの子は吃音が理由で荒れていたが、それが目立たない(ありがたい?)状況だったんです。

安田:ストレスの原因は何だったんだろうね。うまく話せないことだけだったんだろうか。クラスの友達は吃音の事を知っていたの?皆の理解が理由だということもあったかも。

先輩:クラスの友達に吃音の話はきちんとしていなかったが、暗黙の了解でわかってくれていたと思う。

Q.:今話している様子では、(先輩は)全然どもっていないので、歳があがってくるとどもるのは減ってきますか?

先輩:歳が上がっても、あんまり変わらないと思う。自分が吃らない方法を少しずつ身につけていくからかな。自分は、話始めるときに息を吐きながら、吐いている途中で話始めると出やすいことが分かった。歳が上がっていく中で、自分に合った方法を、自分で理解していくことができるようになってくるから、対策ができるようになるので話し方は上手になってくると思う。だからあまり心配しなくてもいいよ。

Q.:3~4年の吃音の症状がピークの時は、どうやって吃音に対処していたのですか?

先輩:自分でリズムを作っていたかな。しゃべりにくい時、(吃音が)出る出ないのタイミングがあるので、自分の足を軽くたたいてリズムをとりながら話していたかな。自分は前よりもしゃべれるようになって嬉しかったけれど、周りの子は、僕が足を叩いたりしているのを見て、「あいつなんかやってるな」と逆に心配されたことがあった。自分に合う方法を見つけていくことは重要になる。

安田:みんな何かやっていることある?それとも、そのままでよし?

→「オレは、そのままでいいかな。」「ピークの時はオレも足を叩いているな。」

Q.:友達に吃音の事でいじられたりしたことはありましたか?

先輩:あったと言えばあったかな。先生がいるところではしないけど、先生のいないところで悪い子になるずるがしこい子がいて、授業と授業の間の時間になんかいじられたり言われたりすることがあった。しかし、先生に話してもあまり取り合ってもらえず、理解してくれなかった。

安田:そういう時は誰に相談していたんですか?

先輩:お母さんとお姉ちゃんの二人にしか話していなかった。学校での対応は難しくてつらかった。

わかってくれる友達もいて少しは楽になった。相談することは、恥ずかしいとか勇気がいることだと思うけれど、話すと楽になるので、話せる人を作っておくことが大切だと思います。そんな人をみんなも作ってください。そして、自分を責めないように。

 

話題変わって…

先輩:中学校になると、係活動などもあり、みんなの前で長く話す機会が増えるけれど、先生や周りの子はよく理解してくれてサポートしてくれたので大丈夫だよ。

安田:吃音の事を学校でカミングアウトしたのですか?

先輩:自分で伝えるのは恥ずかしかったので、先生から話してもらった。自分のいいところと吃音の事を含めながらうまく話してくれた。

→「ぼくはこれまでずっと話しやすい先生だったからよかったけど、先生がわかってくれなかったら大変だっただろうな。」

先輩:自分のテンションを明るくして、軽く「自分は話すのがちょっと苦手なんで。」と言えるといいと思う。暗い感じ、深刻な感じにならないように。

→「それ結構むずいな~。でも、印象がちがうね。」

先輩:吃音の事をクラスでどのくらいの子が知っているかな。結構知っているんじゃないかな。

→「ぼくは、3年生ぐらいから、皆に言うのをやめたから、ほとんどの子が知らないと思う。」

→「学年が上がって5・6年になると、もう暗黙の了解って感じになっていて、何にも言われなくなる。」

先輩:みんなにはどんどん新しいことにチャレンジしてほしい。チャレンジは難しいかもしれないけれどやった経験は生きる。とりあえず何かやってみると自分にいいことが返ってくる。それは勉強でもスポーツでも学校生活の何かでもいいと思う。だからみんな新しいことに是非チャレンジしてみてほしいです。

 

※この後、「吃音クイズ」にみんなで挑戦しました。吃音についての知識もそろそろつけていきたいですね。(「吃音クイズ」はネットで検索してみてください)

 

2.高学年の保護者の交流会 

司会 森先生(那加第三小)   特別参加 廣瀬先生(蘇原第一小)

参加者 保護者6名(父2名、母4名) ゲスト:吃音当事者の高校生Kさん親子

  • 自己紹介

小5母 年中の時からどんぐりで相談している。吃音の症状はいろいろ繰り返し出ていたが、一番酷かったのは年長と1年生ぐらいで、今は連発を繰り返しつつ落ち着いている。学校ではそれなりに受け入れてやっているが、高学年になるとこれまでとは違う気持ちがあるようなので、今回のようなつどいをしてもらって本当にありがたい。

小5母 年長の時からどんぐりで相談している。小1~通級利用している。小さい頃から伸発が目立つが、今の環境としては周りの人が皆その話し方に慣れている状態で、吃音は出るものの、気にならない状況。最近の本人は、吃音は治ったと思っていて、今日も、本人はOBのつもりで参加すると言っている。環境のおかげで落ち着いていると思っており、今後また、環境の変化でどうなるのか、親として不安もあり先輩の話を聞かせて頂きたいと思う。

小4 下の子が生まれた頃から、吃音の症状が出て、どんぐりに相談している。ずっと吃音は出ているが、本人は全然悩んでいない様子で、本心なのかわからないが、「困ってることは無い。」と言う。今日も参加を勧めたがサッカーに行ってしまった。先輩に何か聞きたいことはないか聞いてみると、「これからどういう事で困ることがあるのか聞きたい。」という事だったので、私自身も同じく勉強させていただきたい。

小4母 年中の時から吃音が出始めて、年長からどんぐりに相談している。学校ではクラスのみんなに吃音があることをカミングアウトして、日直など一人でいうのは嫌なときは一緒に言ってもらうなどの配慮をしてもらってきているので、それほど困っていることは無いが、今後中学生になった時どのように親としてサポートしていけばよいか心配なので、今日は勉強させていただきたい。

小5 学校ではほとんど吃音は出ていないが、家では出るので、リラックスすると出る。学校では何とか自分で出さないようにしているようだ。私自身も吃音だった。小学校の頃は国語の発表など嫌だった。中学校になると(吃音の事を)だいぶ気にするようになり、内向的になっていた部分があるので、子どもが今後どうなっていくのか気になっている。

小6父 年中から発吃。どんぐりでの相談暦なし。小1の頃が一番酷かったので、その年の秋から通級利用。小3ぐらいから学校での吃音は落ち着いているが、情緒面で不安定になり、現在も通級でお世話になっている。吃音の事を本人はほとんど気にしていないが、毎年年末年始に症状が出るのに、今年はほとんど気にならないので、成長したのかなあと驚いている。彼にとっては、ことばの支援というより、通級で安心して話を聞いてもらえることの安心感が良い状態を保っていると思えるので、このまま卒業まで通級に通うつもり。

ゲスト母 ことばが遅く幼稚園に上がる頃に吃音の症状が出るようになったが、特に触れずに本児の言うことを聞くようにしてきた。園で友達から指摘されることもあったが、父の、「家族は一番の味方だから!」を合言葉に過ごしてきた。小1から通級利用。しかし、家族に対しては「ぼく、吃音じゃない。どもってない。」と、どもりながら(連発)否定していた。それに対して家族は否定することもなく話を聞いていた。田中角栄とか作家とかアナウンサーとか有名人にも吃音の人が居るので、そういう文献を読んだりしながらも、家族としては気にしないようにずっと接してきた。しかし、たまたま読んだ情報の中で、吃音のある子どもは、喋りたい仕事に就きたいと思っても断念する選択肢になりやすいとか書いてあったり、息子もその頃だいぶ落ち着いていたが、いつまた出るか、酷くなっていくかわからないと思うと、どういう風にしていくといいかというのを何となく思いながら過ごしていた。そんな中で、小2のある時、「ぼく、怖いんだ。大人になったらお父さんのように働こうと思うけれど、どもっているから働きたいと思っても働けなかったらどうしよう。」と急に言い出した。こんな風に不安に思っていたのかと思うと凄くショックだった。そんな時、通級で、ゆっくり音読しているのを見ていて、本人はもっと早く読めたらいいのに、こんなにゆっくりで皆を待たせることになるのを本人は嫌な事だと思っていないだろうかと思っていたら、先生が、「ゆっくり読んでくれるから、すごく聞き取り易い。気持ちがすごく伝わるね。」と言って下さったことで、スラスラ読めることが大切なだけでなく、わかりやすく読んで思いが伝わることが大切だということを教えていただき、息子は音読や発表することを頑張ろうと思えるようになった。それがきっかけで積極的になり、学級委員になるなどチャレンジするようになった。中1までそんな感じが続いたが、チャレンジすればするほど、自分のできなさや周りの反応に傷ついたりすることも増えた。親としては、気にしないようにしていたが、特に母親は本人のちょっとした気持ちの揺らぎを感じ取ってしまい、一喜一憂しがちだった。自分はいつも、夫にあまり聞かないで自分の考えでやって事後報告していたが、ある時、子育ての何かの会で、夫に聞いてみたり、一度言われるようにやってみたりするのもいいのでは?ということを聞き、改めて夫に子育てをどう感じているのかを聞いてみたところ、自分とは違う見方をしていてアドバイスもあった。夫とは、そうこうするうちに吃音のことをそれまでよりよく話すようになり、子どもとも吃音の話をするようになった。子どもは、親に心配かけないようにあまり吃音の話をしないでいたようだが、高学年になってからは、折に触れて、「お父さんとお母さんは、あなたが一人で悩んでいることが一番つらいんだよ。親が心配するから言わないようにしていることがあるかもしれないが、先生でも誰でもいいから話してほしい。」と伝え、「どもる君へ」という本を渡し、最後のページの言友会の連絡先も伝えた。クラス替えや長期休みの後は吃音が出やすいようなので、さらっと吃音の調子を聞くようにしてきた。

吃音だからというより、一人の子どもだからという気持ちで接するようにしているつもり。

  • 高校生活について

Q.クラスの友達にカミングアウトしていないのですか?

・高校1年生の担任の先生には三者面談で伝えてあるし、中学からの申し送りもあったようで、気にかけておきますというぐらい。基本的には親の考えというより、その時本人がどうしてほしいかを優先している。親しい友だちには、自分はこういう話し方の癖があるんだというような伝え方で話している様子。

  • 廣瀬先生より

・今年の夏、「どもる君へ」を書いた、大阪の吃音の当事者伊藤さんたちが主催している「大阪吃の会」が名古屋で開催され、成人当事者のフリートークを見せていただいた。吃音の症状の波もすごくありつつも、自分の仕事の話やその時の気持ちなど、お互い話をすることで、また、話せる仲間がいるということで、吃音のある自分を受け入れていけるとか、吹っ切れると語っておられた。私自身も年を重ねてできないことが増えてきたが受け入れるようになった。子どもたちには未来が広がっているが、どこかで受け入れていく時がくるなぁと思いながら皆さんのお話聞きました。

・森先生 自分は指導者だが当事者ではなく、通級の担任になって初めて吃音の事を学んだ。通級を始めた頃はわかっていなくて申し訳ないことを言ったかもしれない。岐阜大学の村瀬先生のところなどで研修を受けたが、初めにKさんと出会って、Kさんから学ばせてもらった。何が正解というのはないし、こうやって皆さんの話を聞くのが一番の勉強だと感じる。

  • 家族との関係

・家族はどんな時も味方だというスタンスは、生涯も大切だと思う。吃音は本人にとって足かせになるということに頭が行きがちだが、逆にそういうことがなかったら、親族が結束して本人と向かい合うことはなかったかもしれず、吃音があることをプラスに動いておられるのを自分も参考にさせていただきたいと思う。本人の中で波があること、チャレンジすることで壁にぶつかるなど、そういう状況にどう向かっていったらよいのか不安でもあったが、寄り添いすぎず、支えたいと感じた。そっと本を置いておくなどしてみたい。

→ゲスト母 本は、親が読みたくて買ったが、よかったら読んでみて、ぐらいの伝え方で、家族共有の本棚に置いておき、読んだかどうかなどは確認しないようにした。心配だとつい子どもに言いたくなるが、波がある時に、親が何か教えてみても、あまりよかった記憶がなく、親としてすっきりしただけのような気がする。それより、自分がどう向き合うかということが大切だと思う。夫や4つ上の姉や相談できる人などに本人の状況を話して聞いてもらうことで、自分の考え方を変えて、精神状態を良くすることが、子どもを何とかしようとするよりも良い結果になっているような気がする。(子どもに聞いたことはないが)夫に自分の気持ちを伝え、よく話を聞いてもらっていた。それができるようになる前は、がみがみ怒っていた。吃音だからということでもなく、よく叱っていた。

Q.高校の面接のときはどうされましたか?

→面接がない高校だった。夫が大学の教員で、入学の面接をすることがあり、吃音やいろんな障害の学生を面接することもあるようだが、話し方よりやる気や話の内容を重視するとのこと。そんな時、通級の先生が教えてくださった、「詰まることより伝えたい思いがあって一生懸命話してくれることの方が大切だ。」ということを思い出す。夫も、話し方で落とすような学校や会社なら魅力がないから行かなくていいという考え方。

・しかし、実際理解のある学校や職場ばかりではないと思うので、もし、吃音が出ることで落とされることが続いたら親としては心配。

→そうなると不安だが、一番つらいのは本人。そんな時こそ親は味方になる。不安なのはわかるよ。と伝える。夫は、先のように、そんな理解のない人たちとは付き合わないでいいと言う。わかってくれる人を見つけてそういうところに行けばいいと言う。

・市立中学の教員をしています 面接は学校なのでよほど心配はない。大体、クラスに2名ぐらい吃音の子がいる。保護者面談をしていて話されることがあるが、家庭の姿と学校の姿が違うのかもしれない。知らず知らずのうちに子どもが育っていて、学校で成長している。吃音で落ちるような学校には行く必要がない。職業によって誰しもなりたくてもなれないものはある。高校生になると適応して吃音が気にならないことが多いし、周りも大人になって茶化すことは減る傾向がある。

・ゲスト母 中学の時、パワポで説明する授業があったが、パワポを見ながら話すと話しやすかったらしい。皆がパワポを見ているので、自分に注目されず緊張感がなくなり話しやすかったようだ。

・吃音は大人になると自分なりの方法を見つけて良くなると言われるが、個人差はある。

・うちの子は、人前で話したい気持ちが強いので、挑戦することを後押ししてやりたいが、どこまでしていいのかと悩む。家でいつもテレビを見ながら、「なんでうまくしゃべれんのや。もっとしゃべりたいのに。」と言っている。サッカー選手になりたいという夢があるが、「ヒーローインタビュー無理やなあ。」とぼやいていて、心配が先に立っている。最近、(親が)応援しても、失敗しながら強くなることに憤りを持っている。

・ゲスト母 親にそういうことが吐けることが大事だと思う。「そうだよね。」と受け止める。

・色弱と吃音とくせ毛など、個性としていろいろありすぎて、「なんで俺ばっかり、こんなふうなんや!」とぼやいている。今後吃音があることで制限がかかってくることがあると思うが、将来の夢はいつぐらいから考えて、親はそのためのレールを引いてやるとか見守るとかしたらよいか?

→森先生 普通に考えたらできなそうだという職業もあるが、いろいろあるよと伝えたい。一番なりにくそうなアナウンサーにだって吃音の人はいるし、希望はいろいろ持つことが大事だと思っている。いろいろな職業の人がいることを知ること、その職業で何をしたいと思うのかが大切。苦手さを出したくないからあきらめるということもあるかもしれないが、よく親と相談しながら決めていけばよいのではないか。

Q.夫に相談して分かち合う話を聞いたが、向かう方向は同じなのか?

→ゲスト母 それぞれ考え方は違うので、まとまることはなかった。それまでは、話し合ったりしないで自分の考えだけでやってきたところがあったが、夫の考えを聞くようになって、自分の考えにないことをやってみるようになった。すると、息子というより夫の方が何か変わってきた。母親任せだったところがよく考えて発言してくれるようになった。違う時はどうしてそういう考えなのかを聞くようにしていたら、言い争うことも減り、両親が仲良くしている関係になった。そうすると、親に心配かけないようにしていた子どもも、話してくれるようになった。

・家で吃音がすごく出るが、取り立てて話題にすることもなく、普通に接している。自身も吃音があったが、母が「吃音は個性として受け止めなさい」というスタンスだったことが印象に残っている。自分で吃音が出ない方法を習得するようになり、現在はほとんど出ないようになった。吃音でもいいじゃんぐらいの感じで接している。息子が吃音が出ない方法を聞いていたので、そういうことを話題にしてみようと思う。

・息子は社交的ではないと思っていたが子どもたちの交流会を見て、最初に質問の手を挙げたのが衝撃だった。今回も普段交流がない人の中に入るので誘っても行かないと言うかと思ったら、行くといい、それにも驚いた。そして、初対面の子たちと打ち解けているのにびっくり。成長を感じた。参加してよかった。躾はしないといけないが、自我も育っており、やりたいことを見つけてさせたいと思う。私自身は、高校の教員をしているが、将来のことを考えていない子があまりにも多い。仮に、吃音があってもアナウンサーになりたいと思ったとしたら、アドバンテージ大きい。吃音なのになろうとするのか、吃音があるからなりたいことを下げて別の道に行くのかは本人に任せればいいと思った。大人がレールを敷かないでも、自分で考えて生きていくのだろうと思える。

・学校を卒業してからアルバイトが社会に出るスタートだと思うが、社会に出たときに、学校と違うと感じられたことがあれば聞きたい。

・(私自身の吃音は)高校で症状が収まってきて、大学の時はあまり出なくなったので意識が薄れていたので、就職の時も吃音の悩みはなかった。

・森先生 通級の制度があり、利用する子もしない子も、しばらく休むのもそれぞれだと思うが、相談できる相手がどこかにいることが大切だと思うので、通級の利用の有無にかかわらず、その都度、相談できるところがあるとよい。通級は相談しやすい場所にはなると思う。

・ゲスト母 子どもが素直に話せる雰囲気を作ってくださったので、通級を利用するのはありがたかった。

・廣瀬 こんな年になってもKさんのようなことは言えないと思った。生の声を聴かせてもらえることがうれしい。応援団を増やそうね!そのスタンスで是非やっていけたらと思う。自分は人前で話すことがめちゃくちゃ苦手だったが、今はそうではなくなった。これは慣れです。

 

 

3.アンケートより

  • 保護者の感想

・先輩のいいお話が聞けて胸がいっぱいになりました。ゲストのKさんもすごく優しい雰囲気でゆっくり丁寧に子どもたちに話ししてくれていたのも印象的でした。子どもたちが、自分たちが主体となって質問したり話を聞いたりして吃音と向き合っている姿を見て成長を感じました。

・これまでは母が参加して夫に報告するばかりでしたが、今回、夫が子供を連れて参加してくれたことで、 我が家の子どもの吃音に対する認識を再確認することができました。吃音にこだわらず、広い視野で成長を見守りたいです。

・「夢があるのはアドバンテージが高いよ!」というお話に共感しました。子どもたちの「好き」という気持ちに、これからも耳を傾けてあげたいです。

・こどもは、年齢が上がるにつれ、自分で上手に吃音と付き合っている気がします。言い換えなどでうまく立ち回っているようです。今までのように、全部サポートせず、子どもにどうしてほしいか確認することが大事だとわかりました。思春期が来るとまた悩みも色々増えるかと思いますが、親や担任の先生、信頼する友達などに困りごとを相談できるような環境を整えてあげることが大切なので、見守りつつサポートできることはしていこうと思います。

・受験の面接で、吃音でうまく話せなかったら落されることが心配という話で、「それで落とすような学校や企業なら入らなくていい」というご意見を聞き、すごく心を打たれ納得しました。一生懸命話して伝えることが大切だという話しがありましたが、それは面接の時だけでなく、普段の生活から大切にしていきたいと思いました。

・先輩の親子さんと交流して一番印象に残っているのは、親が常に「いつでもあなたの見方だからね」という姿勢を見せておられたところです。お子さんも、家族を信頼して相談されており、家族の絆の強さを感じました。

・こどもたち同士が会話をしたり先輩に質問したりする姿を見て、心打たれるものがありました。普段我が子以外に吃音を耳にする機会があまりないので、吃音が出ている子どもたちを見て失礼ながら安心感を抱いたのが本音です。

・通級の先生に参加していただけたので、今後、進学を見据えた先生方のお話が聞けるといいと思いました。

 

  • 子どもの感想(保護者の聴き取り)

・「うまくしゃべれなくてもいい、伝わるようにゆっくり話すことや、話す中身が大事だって言っていたね。」と言うと、大きく頷いていました。

高校生の先輩が上手に話していたけれど、直るわけじゃないのか、と少し残念そうでした。でも、こうやると言いやすいなどと教えてもらえた。行ってよかったとのことでした。

・先輩の話は、「人生そのもの」で、吃音の有無に関係なく、生きていく上で必要なことだと感じたと話してくれました。

・友達が話しかけてくれて、サッカーやドッジボールの話ができたし、卓球もまあまあ楽しかった。先輩に質問 したらこんな答えが返ったと親に報告してくれました。

文責 福祉の里どんぐり

      安田香実

【たんぽぽ】1月活動予定表🎍

お知らせ 2024年1月9日

福祉の里たんぽぽの1月の活動予定です。ご確認下さい。

R6 1月

【あすなろ】餅つき大会!!🎍

お知らせ 2023年12月28日

令和5年12月26日(火)福祉の里アリーナにて餅つきをしました!!

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福祉の里あすなろで、約4年ぶりとなる“餅つき行事”をおこないました。

約4年ぶりの行事なため、職員さんも、利用者さんもすっかり忘れていての一からの

準備となりました。職員さんは、戸惑い………利用者さんは、何が始まるのかワクワク!! ………

しかし、始まってしまえばみんな一緒に“よいしょ!! よいしょ!!”の大合唱!!

参加者全員無事にお餅をつくことができました。子どもの施設も参加して大いに盛り上がりました。また、来年もみんな楽しく、お餅つきましょう!!

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みんな一緒に よいしょ!!よいしょ!!💦

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手伝って!!

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真ん中をねらって。

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職員さんも、がんばって!

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久しぶり、たのしいなぁ😊

【稲田園】「健康講座」を開催しました‼

お知らせ 2023年12月14日

令和5年度 稲田園「健康講座」開催しました!

稲田園・集会室にて、令和5年11月22日水曜日10:45~ 稲田園利用者の皆さん22名の方に参加していただきました。

テーマ:高齢者・健康ヨガ 

~ヨガをとおして、高齢者の健康維持に繋げよう

 

講 師:各務原市ラジオ体操連盟 理事長 真野 敏氏

 

ヨガ講師(各務原市まちづくり推進課マッチングコーディネーター)

Calm heart Yoga 岩城 仁美氏

○内容

高齢者向きの座ったままでできる「健康ヨガ」を行いました。講師の動きに合わせ身体を動かしたり、呼吸をしたり、止めたりするなど、そんなに激しい動きをしていないのに、少しずつ汗ばむ運動量でした。

脳トレでは、講師の言葉にあわせて手先、指先、足等をリズムにあわせ動かしたり、発声したりすることを行いました。

 

ヨガ講話では、さまざまなポーズを取ることで全身の筋肉に刺激を与え、筋肉量の維持につながり、お腹で深く呼吸(腹式呼吸)することでリラックス効果があるとの説明がありました。また、ヨガを続けることで、フレイル予防、ケガの予防も期待できるとのことでした。

参加者からは「身体が楽になった」「心身ともにリフレッシュできた」などとても好評でした。この他、稲田園では毎年行っている「健康講座」をきっかけに、毎朝9:50~ラジオ体操第1・2を行っています。参加者の皆さんからは健康的に1日が始められると好評です。

写真① 

写真③ 

写真② 

 

【ふれあい夢まつり】を開催しました!!

お知らせ 2023年11月17日

10月28日(土)今年はドキドキ、ワクワク4年ぶりの開催となりました。

多くの皆様にご来場いただき、あわせて多くのボランティアの皆様に支えられ無事に開催できたこと、職員一同感謝しております。

オープニングからたくさんの方々がお祭りを心待ちにして下さっていました。

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各事業所ごとにあそびのコーナーを用意しました。

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『お面づくり』

気に入ったキャラクターに好きな色をぬって完成!!

カッコイイおめん  かわいらしいおめん できたかな?

③

『ブラックナイトフィッシング』

真っ暗な海の中にきらきら光るおさかなたち。狙った獲物をめがけて「それっ!!」

大きなおさかな釣れたかな?

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『ピンポンあそび』

タライに乗ってシューとすべってみたり、たくさんのピンポンを集めたりして遊んだよ。

たくさんのボールに埋もれるって、なんだか不思議な感覚だね☆

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『スヌーズレン&スライム』

びよーんと伸ばしたり、ちぎったり、丸めたり。

色んな形に変身して 冷たくて、不思議な感触のスライム。

気持ちがいいなー  😊

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『オープンアトリエ』

色んないろの絵の具やペン、筆やスポンジなどの道具を使って、大きな紙にいーっぱいお絵描きしたよ♪

ステキな作品ができました!

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『ストラックアウト&ボウリング』

「すごーい!じょうず―」とミニゲームも大盛り上がり!!

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スペシャルゲストで『ららら』と『ミナモ』も登場!

みんなに囲まれて、『ららら』も『ミナモ』も嬉しそう♡

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『模擬店』

ポテトにカレー、フランクフルトに焼きそばと模擬店も大盛況!!

あっという間に完売となりました。

美味しく食べていただけたでしょうか?

 

皆様のおかげで、『第25回福祉の里夢まつり』も大盛況となりました。

たくさんの笑顔が見られて、私たちもとても嬉しかったです。

また来年も喜んでいただけるよう企画していきたいと思います。

楽しみに待っていて下さいね。ありがとうございました。

【稲田園】令和5年度 稲田園健康講座!

お知らせ 2023年11月13日

令和5年度 稲田園・健康講座!

各務原市高齢者生きがいセンター稲田園は、

高齢者の健康に関する講座を“講師”を招いて介護予防、健康維持・増進に繋げられるよう実施します。講座受講できる方は、原則市内在住の60歳以上の方です。

 

テーマ:高齢者・健康ヨガ

   ~ヨガをとおして、

高齢者の健康維持に繋げよう!~

 

内容: 「高齢者生きがいセンター稲田園」利用者に対し、健康に関する講座を“ボランティア講師”を招いて実施し、高齢者の健康維持に繋げる。

 

講    師:各務原市ラジオ体操連盟

理事長 真野 敏氏

ヨガ講師(各務原市まちづくり推進課マッチングコーディネーター)

Calm heart Yoga 岩城 仁美氏

 

日   時:令和5年11月22日水曜日10:45~11:45

 

場   所:稲田園 集会室(各務原市須衛2469番地)

 

電   話:(058)370-4321

 

参加申込:稲田園にて「参加申込書」を記入後、提出して下さい。

参加費は無料です。(ただし、稲田園、利用料(100円)が必要です。)

稲田園 担当:津田

 

そ の 他:当日申込・参加も可能です。

稲田園地図

①稲田園・地図(データ)

昨年の健康講座の様子

②昨年の健康講座

詳しいことは、問い合せ先 稲田園【058-370-4321】までお尋ねください。

【稲田園】最近の様子🍁

お知らせ 2023年11月8日

最近の「稲田園」の様子!

稲田園では、利用者の皆様が安心して利用できるよう、感染症対策等を実施して営業しています。令和5年5月8日から新型コロナウイルスが2類から5類感染症へ移行してから徐々に利用者の方が増えてきました。「大浴場での入浴」「カラオケ」「卓球」「囲碁・将棋」「お友達とおしゃべり」等、楽しまれています。

9月16日(土)12:30~13:30は稲田園において「歌謡ショー」を谷口貞彦様の協力により開催しました。ありがとうございました。

 

<内容>

花咲里佳歌謡ショー

演歌歌手:花咲里佳様

稲田園の利用者や各務原市民の方の参加があり、ショーは大変盛り上がり皆さん楽しまれました。案内チラシ等でPRしたことで初めて来園される方もみえて、新たに稲田園を知っていただく機会にもなりました。稲田園の大広間80席が満席になりました。

 

花咲里佳歌謡ショーの様子

①花咲里佳

②花咲里佳

稲田園・大広間からの風景(春)

③さくら集会室

最近の様子

カラオケ

④-カラオケ

卓球

⑤-卓球

囲碁・将棋

⑥-囲碁

稲田園・浴場

⑦大浴場の入り口

⑧-大浴場

詳しいことは、問い合せ先 稲田園【058-370-4321】までお尋ねください。

 

【たんぽぽ】11月活動予定🍁

お知らせ 2023年11月6日

たんぽぽ11月の活動内容です。ご確認下さい。

R511月

 

【ふれあい夢まつり】案内板設置・駐車場の右折侵入について(お願い)・掲載しました

お知らせ 2023年10月23日

10月28日開催の「福祉の里ふれあい夢まつり」、開催まで1週間となってきました。

1.福祉の里エントランスの案内板設置

2.駐車場の右折侵入についてのお願い

新しく掲載しています。

こちらから

第9回 「吃音のつどい」を開催しました!

お知らせ 2023年10月23日

第9回 「吃音のつどい」を開催しました!

令和5年9月16日(土) 14:00~16:00

「第9回吃音のつどい」は、前回とほぼ同様の14家族が参加してくださいました。以下に内容をまとめましたので、参加された方もされなかった方も参考にして頂ければと思います。

 

☆おたのしみ会☆ 広~いアリーナでいっぱい動きました!

落すな!エアーボール  巨大キュービックエアーボールをみんなでパス

②じゃんけん列車  じゃんけん王者が決定。K君、強いねー!

③家族対抗しりとり合戦  A君、うっかり「らいおん」って言っちゃった!でも、2巡目は「みかんのかわ」と切り抜けました。

④自己紹介  気持ちも体も温まったところで、言いたい子から順に。どんどん手が挙がりましたね!

◆保護者の交流会 

2つのグループに分かれて行いました。フリートークでしたが、話題にタイトルをつけてみましたので、

気になるテーマから読んでいただければと思います。

グループ】 ※司会をして下さったYさん、ありがとうございました。

  • 吃音のことを子どもと話せる関係づくり、周りにオープンにすることについて

・年中:年少から相談している。どんぐりに相談するまで吃音のことを本人と話したことがなかった。相談して、子どもと話せる関係を作っておき、友達からの指摘などがあったら伝えられるようにしておくことが大切と聞き、本人に話してみたが、話すことを嫌がって隠れたりする。本人と共有していきたいが、皆さんどうやって本人と話をされているのか聞きたい。

・小4:年中から相談していたが、最初の頃はやはり吃音のことを話すと嫌がっていた。認めたくないのか避ける感じだった。今でもまだそんな感じはあるが、吃音が出たときに、「今しゃべりにくかったでしょ?」と聞いてみると、「しゃべりにくかった。」と答えてくれるようになったが、学校でのことは話してくれない。普段は、ほとんど吃音があることを意識しないで過ごしているが、今後どういう風に付き合っていけばよいか知りたい。

・小1:年長の頃に吃音が出て話しにくそうにしていた時に本人に聞いてみたところ、「いつもこうなっちゃう。」と教えてくれたので、「それは、『吃音』って言うんだよ。」と教えてからは、本人と少しずつ話せるようになった。その後、幼稚園で「前へならえ」が言えなくて連発が出て、友達に笑われたことがあった。どうしたらよいか担任と相談したが、本人は自分で言いたいと言ったのでそうさせた。小学校に入ってからは、普段から寝る前などに学校での様子などを聞くように心がけている。ある時、「ママ、吃音ってなおるの?」と聞いてきたので、「吃音は治らないよ。」としっかり話した。今のところは学校で指摘されることもない様子で、困ったことを訴えてくることはない。ただ、言いにくいことばの時は、指を折りながら言うようにしている。治らないとわかったから、自分なりに工夫しているようだ。これから思春期になった時に話したくならないように、今から話せる関係を作っておきたいと思う。

・小4:言語通級に通っている。最近しゃべりにくいときに、心の中で「セーノ」と言うとタイミングが合わせやすくなるとに気づいてやっている。

・年長:年中から相談している。早くから本人に吃音の話をしている。「吃音が出るのはいいことだよ。」と話しているからか、家庭でも園でも連発がたくさん出るが、友達から指摘されたりしても、本人は気にしていない。

・司会:なぜ、吃音の話をすると避けるのだろう?幼稚園で何かあって、言いたくないと思っているのでは?

(吃音が出ることは)悪いことではないことを伝えたいよね!

・年中:なんか悪いことだと思っているようだ。話しにくさの自覚はあるし、福祉の里に相談に来ることはむしろ楽しみにしているが、深く話そうとすると嫌がる。園の担任からは、周りの子は気づいていないのではないかと聞いているので、思い当たることがない。悪いことではないということをこれからも伝え続けたい。

・小2: 普通のこと、癖の一部くらいに思いたいよね。

・年中:もともとことばが少しゆっくりだったが、幼稚園に入ってことばが増えた。年中になって吃音が気になりだし、7月から相談開始。本人は全く気にしていない。クラスの子どもたちは指摘しないし話し終わるまで待ってくれていると聞いている。一度、友達に「何言ってるかわからない」と言われたことがあったが、「ごめんね うまくしゃべれないの」と答えたらしい。

・司会:うちの子は、指摘されたりしたら、自分で説明するタイプだが、指摘されると嫌だなと思う子もいる。いろんな性格の子がいると思うが、幼稚園の時期は吃音の症状が最も多く出るときだと思うので、一番心配だと思う。学校で困ったこととかありますか?

・小4:年長の時に真似されたことがあったが、その子とは仲が良く、だから真似したようだ。園の先生からこどもたちに吃音のことを話してもらって安心した。小学校になって、国語の音読の時に吃音がたくさん出るので嫌がる。算数の計算カードも計算できるのに言えないのでイライラしていた。学校では、筆記はするが、発表はしませんと担任に言われていた。本人は吃音を気にしていて、親には聞いてほしくないと思っているのではないかと気遣い、触れない方がいいと思ってそっとしていたが、どうしたらいいか気になり、どんぐりに相談したところ、オープンにして学校でも説明してもらった方がいいと助言を受けた。それで、担任に話し、2年生の時にクラスで話してもらった。すると、みんなが知ってくれたことで安心したのか急にみんなの前で発表するようになった。3~4年生は男の先生で相性も良く友だちみたいに接していて、クラスでも吃音はめっちゃ出つつも、よく発表するようになったと聞いている。家でも吃音の話がしっかりできるようになった。4年生になってからスポ小のサッカーを始めたが、そこでも初めに吃音があることを話した。これからも学年が上がっていくが、本人が積極的なタイプじゃないので、前もって親が話していこうと思う。

※学年が上がる時に、前の担任からの引継ぎがない。毎年新しい担任になるたびに同じことを親が説明しているので、どうにかしてほしい。と数人の保護者から意見あり。

 

  • 周りの人に吃音のことを伝えることのメリット

・小2:小学校の通学班の保護者にグループlineで先にお知らせした。からかわれてからだと大変だと思い、本人に「(吃音のことを)言うけどいい?」と確認したら、「言って!」という感じだったので伝えた。伝えたことで、理解してもらえていじめも防げた。一方で、「うちの子はまだ小さいから説明しないでおくね。」とか、質問をされる人、何も言わない人など、結構いろいろな考えがあって、人それぞれだと感じた。就学前までは、安田先生をはじめ味方が多かったが、そういう人ばかりではないことがわかった。しかし、吃音のことを言わない手はないと思う。言った方が理解が得られる。幼稚園の時も、友達のお母さんには言うようにしていた。すると、気にかけてくれて、「何か言われていじめられていたみたいだけど大丈夫?私(その子に)言っとくよ!」など、理解のある人が増え、伝えることはネガティブなことではないと感じた。自分だけで抱え込むより助かったことが多かった。

・小4:周りの人は、吃音のことを知らない人がほとんどなので、どう接していいのかわからないから、こちらからオープンにして言った方が、理解が得られる。

・小2:そうそう。自分の気持ちも楽になるし、子どもも、あのお母さん知ってくれているという安心感があると、自分から話に行ける。案外、身内の祖父母が難関だったりするね。敵は近くにいるみたいな…。一時期、祖父母から「躾がなっていない」とか「かわいそう」などと言われ、どう理解してもらおうか悩んだ。若い人たちや子どもは、説明すると素直に理解してくれるが、祖父母は本当に難関だった。それで、本を読んでもらうなどして伝えたことで、今はよく理解してくれて、直らないものだということもわかって接してくれている。知らないだけで意外と身近に吃音の人がいたりするので、周りの人に知っておいてもらうことはよいことだと思う。

 

  • 親として吃音のある子どもとどう向き合うか

・小1:(親として)自分のメンタルに悩む。吃音は直らないし、仕方がないことだと頭でわかっているけれど、吃音が出ることに対してイライラする。(本人に対してではなく、吃音に対して)

・小4:親はやっぱり吃音を治してあげたいと思っているが、最近本人が「(吃音のことを)もうええわ、しょうがない。」と言うようになったので、本人がそう思うなら、それでいいと思うようにしようと努力している。

・小2:吃音はよくなるとは思うが、直りはしない。究極そこだよね。幼稚園の頃は、話したい気持ちがすごくある時期なので、吃音もめちゃくちゃ出ていたが、小学校に入ったら落ち着いた。それで親も油断していると、休み明けなどにまた出たりといったことが起きる。親は、その都度、子どもに「あなたが悪いわけじゃない。」ということを繰り返しきちんと伝えないといけないと思うし、癖の一種だと思うようにしている。それと、周りの人にフォローしてもらうようにして、自分一人で考え込まないようにしている。安田先生とか頼れる人を頼るようにしている。また、吃音の症状が変化するが、日頃から、本人に、どうしてほしいと思っているかを聞くようにして、それがかなうことであればそう対応するようにしている。

・小4:本人がだんだん対処の仕方を学んでいっている。仲の良い子は知ってくれているので、吃音出ながらしゃべっているが、クラスでは出ないように工夫したりしている。そもそもクラスではあまり話さないので、一見吃音が減ったように思われるけれど、家庭では吃音がたくさん出ており、減ったわけではないことを親は知っていないといけない。これから大きくなって対処の仕方については、やはり、本人と日頃から話していくしかないと思う。

・小2:今は、家では吃音が出るが、外では本人が気を付けているのであまり出ていない。これから行動範囲も広がって、指摘などされた時の対応が心配ではあるが、本人は自分で説明すると言っている。それがうまくいかなかったときに、親がフォローするかなというスタンスでいる。

・年中:本を読むと、吃音の子の8割ぐらいは自然に治ると書いてある。一瞬なくなった時期があったが、年少になってまた出始め、もう無理かなと思う。

・小1:下の子も2歳半ぐらいで吃音が出始めて、ああそうなんだ。と思っていたが、そのうち自然に治った。

・小2:ことばを覚えて自然に治るタイプだったんだね。

・小4:以前は、いじめられたらどうしようとか、指摘されてうちの子ダメになったらどうしようという心配ばっかりして、隠したい気持ちの方が大きかったが、今は、自分でそういうことがあった時に対応できる力を持ってほしいと思うようになった。何か困ったことがあった時に親には言いづらいのではないかと思い、本人に、「誰に一番話しやすいか。」と聞いてみたところ、親ではなく、「担任の先生」と答えた。そこで、担任に「何か困ったことがあったら先生に話すと言っているので、そういうことがあったら親に教えてください。」と伝えてある。自分が話せるところを作っておいた方がいいと思っている。

・年長:まだ、困っていないと思うが、最近人前で話すときには出ないように工夫している。

・小4:そうなったときにどうしようかという話をしてみたら?「隠す」と言ったらちょっと危険。

 

  • 園や学校で吃音に対して対応されていることありますか?

・年中:歌や劇の台詞は吃音が出にくいと言われるが、本当にそうですか?

・小2:それは、自分で考えて言うことばではなく、先に決められたことばだからじゃないかな。

・小4:ことばの始めが母音のことばは言いにくい。台詞は言いにくかった。歌は、リズムに乗っているから、タイミングがつかみやすいのだと思う。

・小2:そうそう、母音が言いにくい。幼稚園の時、朝「おはようございます」の「お」が連発になってしまうので、本人は挨拶しないことに決めていた。発表会は担任と相談して、苦手なことばは、代えてもらえばいい。

・小4:うちもことばを代えてもらって対処した。また、一人じゃなくて誰かと一緒に言えば言えるので、そうしてもらったこともある。

・小2:それも本人に、どうしたいのか確認の上だよね。

・小4:日直でみんなの前で話すような時、予め担任に、調子が悪い時は誰かと一緒に言うように伝えてあるが、本人が、「今日は調子がいいから一人で言ったわ!」と言うことがある。吃音の波があるので、いつも誰かと一緒ではなく、一人でも言える機会を柔軟に作ってもらえると、自信になると思う。また、クラスの子どもたちには本人の吃音のことを話してもらうように伝えてある。1学年1クラスなので、担任は変わるけれど子どもたちは一緒だが、1年生の時に初めに話してもらったことを忘れてしまう子がいるので、真似したり指摘したりする子がいたらその都度繰り返し話してもらった。現在もそれは続いている。

・司会:それはお子さんが望んでいることですか?

・小4:そうです。自分ではなかなか言えないので、先生に言ってもらうと安心。クラスの女の子はよくわかってくれていて、吃音をまねたりする子がいると注意してくれる。クラスで話してもらうことについては、安田先生に相談したら、本人の気持ちを聞くと嫌だというかもしれないので、そこは、強行突破した方がいいと言われ、話してもらったが、結果、本人は話してもらってよかったと言っていた。いろんな子に聞かれても自分で説明できないので、話してもらってよかったと言っていた。

・小1:担任には話してあるが、クラスにはまだ話してもらっていない。何かあってからでいいかなと思っている。

・小4:1年生の時は、話してもらっていなかったが、今から思うと、本人は黙っていて、たぶん困っていたのではないかと思う。その後、吃音の話をしようかと相談したときに、「言わないでほしい」と言ってきたので、どうしてそう思うか聞くと「隠したい」と言う。「なんで隠したいと思うのか。」とさらに聞くと「吃音であることを恥ずかしいと思っているから。」と答えた。これはあまりいい状態じゃないと思い、吃音を隠さないで出している方がいい状態だということをきちんと話し、説明は「先生にしてもらうからね。」と伝えた。3年生にもなると、吃音のことだけ話すと誰のことかすぐわかってしまうので、担任は、吃音だけじゃなく、容姿やしゃべり方など人それぞれ違いがあるが、その違いを指摘したり笑ったりしてはダメだという伝え方で説明してくれた。本人はしてもらってよかったと言っていた。

・小2:うちの子は「自分で言うからいい」と言っているので、担任からは話してもらっていない。吃音の当事者である子ども自身の意思がしっかりあって、どうしてほしいか伝えてくるので、どうしようもなくなったら親の出番かなと思っている。自分で友達に「吃音だ」ということを伝えているので、国語の音読では、吃音がいっぱい出ているようだが、誰かと一緒に読むのではなく、自分のタイミングで読みたいと言うので、時間はかかるがそうしている。クラスにそれを指摘する子はなく、受け入れてくれている。「お前吃音だからしょうがないよな。」と仲の良い友達は理解してくれているようだ。子どもの性格による。

 

  • 吃音の工夫や随伴症状について

・小1:学校ではまだ緊張しているのか、あまり出ていないようだが、家では吃音がたくさん出る。安心しているからだと思うが、家でも言い換えなど工夫しているのはどうなのか?

・小2:それが緊張状態なのか、リラックスなのかは、本人に聞かないとわからない。それが自分にとって一番言いやすいのかもしれない。判断は難しいところ。うちの子も、体を思いっきり叩きながら言うことがあって、大丈夫かなと思うが、止めようとすると、それでタイミングをとっているから止めないでと言う。友達が止めようとした時も友達に怒っている。(メンタルがすごい!)どうしても言いにくいときは、親に「これに代わることばない?」と聞いてきたりする。特に今は難しいことばを使いたがり(チャレンジしたい)、親としては、だから吃音になるんじゃないのと思うけれど、止めるのも違うなと思い、応じている。

・小4:外に現れる工夫の仕方だと、周りの人にわかってしまうのが嫌だから、うちの子は心の中でタイミングをとっている。

・小2:通級のグループ指導に通っているが、高学年の子たちを見ていると、自分で工夫していて、あまり気にならないような感じになっていて、こういう風になっていくのだなと参考になる。自分で考えている。

 

  • 今後どうなっていくのだろう

・思春期になる頃は自分自身との闘いになるのでは?壁にぶち当たる時は必ず来ると思う。親にも言わなくなるかも。

・「なんで僕はこうなるんだ!(吃音)」と親が責められたと聞いたことがあるが、子どもとの付き合いをうまくやっていないとそういうことが起きるかもという恐怖はある。だから、今がすごく大事で、話し合える時にしっかり話し合っておいて(良い関係性を)蓄えておくことが大切だと思う。

・こういう会に参加すると、みんなそういう風にやってるんだとわかり、すごく勉強になる。

 

【2グループ】 ※司会 安田

  • 計算カードの宿題に頭を悩ます

・小2:学校では、国語の音読で吃音が出ることもあるようだが、今のところ特に問題なく過ごしている。今一番苦労しているのは、宿題の「計算カード」。1分間にどれだけ言えるか測るのだが、あれは、計算の学習ではなく、早口ことばだと思う。担任と相談して、親が計算式を言って、子どもが答えを言うやり方にしてもらった。

・小2:うちも、困っているのは「計算カード」。「つまるから2回までしか言えない。」と訴え、すごく嫌そうに宿題の一番後にやっている。親は、「間違えるより(やった方が)いいと思うよ。」と助言し何とか続けている。

・安田:黙読でもOKにしてもらったらいいのにね。

・小5:うちも怒りながらやってました。最後はやっぱり早口ことばになるので、この勉強の意味が分からない。ある先生は、100マス計算をさせてくれて、それだと時間を計っても、計算の学習になるので、やる意味があると思う。

・小2:担任と相談して、その子に合ったやり方を考えるようにしたらいいと思う。上の子の時も下の子の時もその都度担任に話して本人がやりやすいように考えてくれている。みんなの前では発表しないことも約束してもらい、本人は安心していた。

・小5:皆と違うやり方で本人が納得する?それだったら、皆のやり方も一緒に変えてもらう方が納得がいく。

・小2:姉は吃音はないが、「計算カード」の宿題は泣きながらやっていた。親がストレスだった。

・安田:困っていることの声を上げてみてほしい。吃音でなくても困っている子はきっといると思う。音読だけでなく、手先の不器用さがあって、カードを早くめくれない子だっているはず。

 

  • 学校での対応

・小2:症状は、少しの連発程度に落ち着いているものの、学校でもちょいちょい出ているようで、友達から指摘されることがあるようだ。そういう時は、自分で、「わざとじゃないからマネしないで。」と言っている。それで、ほとんどの子はわかってくれるが、一人だけ何度言っても真似してくる子がいて、ムカつくようだが、かといって普通にその子とも遊んでいるので、嫌いでいじめられているのではないことがわかっているのだと思う。本人が気にして落ち込んだりしたらどうしようかと思って見ていたが、平気らしい。ほかの子がわかってくれているからだろう。親は様子見。

 

  • 当事者であり親としての考え

・小1:親の自分自身にも吃音がある。小学校の時、学級員とか体育委員をやっていて、ある時、練習ではうまく言えたのに、本番になって「〇〇さんを中心に広がってください。」という号令が出てこなくなってしまい(難発)、30秒ぐらいストップしてしまったことがあった。頭が真っ白になっていたので、皆の反応は全く覚えていないが、未だに同級生にその時のことを言われたりする。当時は、自分が「吃音」であるとは知らず、なぜか話す時にそういう症状が出るというくらいにとらえていた。今でも自己紹介や電話口などでは吃音が出やすい。今後子どものサポートをしていきたいと思っているが、最終的には、社会に出たら、自分で何とか解決していくしかないと考えている。社会に出たら、吃音のことを知らない人の方が多いので、親があまり手を出しすぎないようにして、本人が自分で何とかして解決するのを見守るスタンスで接している。

・小5:親がどこまで口を出していいか悩むところだが、小学校から中学校までは親が基盤づくり(問題が起きても大人や周りに相談すれば、解決できるという成功体験を積ませること)をやっておいてやりたいと考えている。自分の吃音を認めていないと、先生に言ってほしいとか人に説明するとかはできないと思うので、自分に自信が持てて、吃音を受け入れられるように育てたいと思う。

・安田:世間では、吃音のことを知らない人がまだまだ多いので、小さいうちから、周りに知っていてくれる人をコツコツ増やしていくことは必要だと思う。ある程度の年齢までは、大人に頼れば解決できる経験を積み、そういう安心感から将来自分でも問題に向かっていける土壌づくりができたらいいと思う。ただ、いろんな性格の子がいるので、その子その子への対応になると思うが。

 

  • 吃音に対しての本人の自覚と周りの理解

・年中:まだ周りの人に指摘されたことがない。弟の名前など言いにくいことばがあると言い換えたりしているので、言いにくさには気づいていると思うが、それを「吃音」と言うことまではまだわかっていない。おとなしい性格で、今日の自己紹介も「ムリムリ」としり込みをしていて一番最後になってしまった。だから、もし誰かに指摘されても、まだ自分で説明することはできないと思う。本人とは、もし誰かに指摘されたら、「ぼくはこういうしゃべり方なんだよ。」と説明するように話しているが、きっとそんな場面になっても言えないと思う。どうやって教えていったらよいのだろう。本人は今のところあまり困っておらず、この調子で本人の困り感がずっとないと、友達から指摘されても、親に言ってこないまま、友達との関係性にも影響が出てくるのではないかという心配がある。小学校になったら先生は幼稚園ほど丁寧に付き合ってくださらないと思うので、何かあったら自分で対応できるようになってほしいと思うが、どう付き合っていけばいいか悩む。

・小5:保育園の頃、本人は園でもあまり話をしない方だったので、人から何か言われるなどの困り感はなかった。なので、周りの子に吃音のことを知らせる必要があるのか、本人は周りの子たちに知ってほしいと思っているのかなどのためらいがあり、話してもらうことをずっと迷っていた。しかし、家庭では頻繁に吃音が出ている状態だったし、クラスの3分の1の子が同じ小学校に行くことがわかっていたので、皆に知っていてもらった方が、この先学校に入ってからも安心できると思い、年長の3学期に吃音の話をしてもらった。本人に後から聞くと、話してもらってよかったと言っていた。小学校に入ってからも、繰り返し担任に伝えている。クラスでは、何か、決められた発表回数があるようで、必要最低限の発表にとどめている。みんなの前でどうしても言わないといけないときに吃音が出そうになると、自分で深呼吸したり言い換えたりして工夫している。

・年中:まだ、吃音の自覚があいまいで、「吃音」と言うことばもわかっていない。福祉の里の相談には遊びに来ている感覚。

・年中:自閉症もある。チックもある。ことばの出始めも遅く、ことばが出始めたころから吃音がある。自分の気持ちを伝えたい気持ちが育ってきたが、吃音が出てしゃべりにくい上に、自閉がありうまく表現できずに伝わりにくいという葛藤があって悪循環。これまでは吃音の波があったが、最近定着してきているように見受けられ、子どもも親も辛い。自閉の関係で、1日中ずっとしゃべっていて吃音もずっと出ているが、口を挟まず聞いているのも苦しく、付き合い方が難しい。救いなのは、小学生の姉の理解があり、(まだ吃音を)受け入れ難い父が吃音のことを指摘したりするときに、姉が注意してくれること。本人の意識はまだない様子で、就学後が心配。祖父母は、本人の吃音をすごく心配してくれて、「どもっているから練習しよう」と言って、ゆっくり言わせる練習をさせたりしていた。また、他の親戚からも、「どうしてこうもつまる?」と言われたりした。祖父母には、安田に初回相談した時にもらった資料を送って、理解してもらえたが、たまに会うような親戚にはどう伝えたらいいか難しい。

・年中:波があるので、祖父母には、「今日はひどいなあ」と言われたりする。そもそも、祖父母は「吃音」という単語も知らないので、「病気か?」と聞かれ、「本人の特徴」と説明しているが、理解を得るのは難しい。

・小5:父方の祖父母には、お父さんから言ってもらうのがいいと思う。

・安田:こういう会に参加していただけると、理解が深まると思う。本を読まれる方なら、本を渡して読んでもらうのも一案かと。

・小2:支援学級にいる。わかっているのかも知れないが、友達に聞かれた時に自分で説明するのは難しいと思うし、誰かに指摘されたりしているかもしれないが、親に伝えてきたことはない。周りの大人は本人の吃音に慣れてしまって、もうこのままでいいのかなと思いがち。しかし、支援級以外の世界とのつながりもあるので、時々、親から聞いてみたりしようと思う。

・安田:本人の自覚については、話し方の困り感には個人差があるので、時々吃音の話をしていけばいいと思う。どんぐりに相談に来てもらったときは、保護者と安田が吃音の話をしているのを傍でずっと聞いているので、だんだん自分のこととして理解していくようになるようだ。本人の理解を焦ることはないと思う。

 

  • 高学年の子どもの困り感

・小5:小学校への入学時は学校の理解も得られ、よいスタートが切れた。毎年担任に説明してきたし、これまで親としては、吃音の子どもへの対応の基本も実践してきた方だと思っている。ところが5年生になり、音読で詰まると先生にやり直しをさせられたりするので、本人が「(担任の)先生は、自分の吃音のことを知っているのか?」と親に訴えてきた。しばらく様子を見ていたが担任の対応が変わらないので、連絡を取り、話してみると、「吃音があることは知っているが、気にならないので、他の子と同じ指導をしている。音読のやり直しは、詰まっているからというより、表現力の問題で、他の子にも同じように指導している。」との返答だった。本人曰く、「やり直しの回数が僕だけ多い。」とぼやいていたが、そういう理由なら仕方がないと思い、「他の子と同じようにはやってほしいと思うが、本人には、『吃音があることを先生は知っているから大丈夫だよ。』という声をかけてほしい。」とお願いし、それで、一応本人も安心したものの、音読に表現力を求められると、吃音の子は難しい。うまく読まなくちゃという気持ちが強まり、 余計吃音が出てしまいがち。 しかし、この経験から、難しいと思うのは、他の子と同じように接してほしいと思う気持ちはあるが、普段吃音が安定しているので、吃音のことを特に問題にされず、配慮まで忘れられているということ。言語通級にも通っているのに、(同様の理由で)通常との連携もなくなっていていた。高学年になり、自分で対応していく段階になったかなという気持ちもあり、少し親としては引いて見守っていた部分があったが、どこまで親が出ていけばいいのか。親が口を出すのは単なるクレームにならないか。いろいろ悩ましい。

・安田:通級の先生も交えて話し合いしたのですか?

・小5:通級の担当や支援担当の先生(特別支援教育コーディネーター)とも話したが、「吃音の子どもは、常に困っている状況ではないので、困り感を忘れがちになる。できるときもあるしできないときもあるので、困り感が分り辛い。」と言われた。それで、今頃、吃音の話を子どもたちにしましょうと言われ、これまでしていなかったのかとちょっと驚いた。軽く捉えられていることが親としては残念に思う。声を上げていかないといけないと今更ながら思った。

・安田:学年が上がり本人も言い換えたり工夫を覚えて、周りには本人がしっかりしてそうに見えるので、特別な配慮はもういらないんじゃないかと思われているのではないか。

小5:高学年になり、言い換えを覚えたり短いことばにしたりするなど、自分で工夫して日常的には卒なく過ごせてはいる。仕方がないと思うが、そういう状況が理解できる先生と軽くとらえる先生と温度差があると感じる。もっと慎重に対応してほしいと思う。

・安田:それは、適応力の成長と言えるが、できてるからいいじゃないかではなく、努力しての結果なので、そこを周りがちゃんと理解しないといけないと思う。(人口の)1%の吃音の子どもたちを支えるために、みんなでしっかり声を上げていきましょう。

 

【参加者ンケートより】

  • 保護者

・年上のお子さんたちが、吃音と上手に向き合っていること、両親とオープンに吃音について話せていることを知り安心しました。今後積極的にポジティブな雰囲気で子どもと話していきたい。

・学ぶことが多く、お話を聞いているうちに心がだんだん軽くなりました。今後も、子どもに寄り添いながら、自分らしく生きるために支えていきたいと思います。

・もうすぐある、就学時健診の時に、具体的にこうしていきたいと、親と子どもの考えが伝えられるよう準備していこうと思います。

・吃音と言っても、一人一人症状や性格が違うし、他にも気になる面があるなど、いろんな子がいて、いろんなやり方があって、正解はないなあと思いました。だから、いろんな情報や体験談は貴重な参考材料になるし、それを基に私たち個人がどう考え、どう行動するか自分たちに合った最善の方法を見つけていけたらいいなあと思いました。

・実際に吃音と共に生きてきた方のお話は説得力がありました。社会に出たら、自分でどうにかしていくしかないし、付き合っていくしかないので、今から、躓いても心が折れないように、自分で立ち上がれるようにサポートしていきたいです。

・(普段あまり関心のない)父親から「集まりはどうやった?」」と聞いてきてくれ、少しではありましたが、吃音について話す機会が持てました。穏やかに聞いてくれたので、少しずつ変わるといいなと思っています。

・周りの人に理解してもらうことが子どもたちも楽に過ごせるのだなあと改めて思いました。前回に比べて、不安や心配感が少ない人が多いと感じました。こういう会があるお陰かと思います。

・この先のことを考えると不安なことだらけでしたが、皆と話せてとても気持ちが楽になりました。

・つどいの帰り道に、久しぶりにちゃんと子どもと、学校でどうなのかということを話しました。やはり友達に話し方で突っ込まれることがあるようで、嫌な気持ちになったけれど言い返せなかったと聞き、そんな時どう対処したらよかったかを話し合いました。学年が上がり、普段吃音に目がいかなくなっていましたが、こうしてたまに話し合いをするのも大事だなと思いました。

・吃音のことで人から言われた時に、しっかりと自分のことばで説明できる子に育てようと思い、自分自身で気付かせるように3つのことに取り組んでいます。①学校以外の子どもとのコミュニティーを作ってあげる。②振り返りノートに、習い事の後、チャレンジしたこと、次にチャレンジすることを書く。③一人一人との会話 これで子どものメンタルが鍛えられるかわかりませんが、効果があればいいなと思っています。

・今後、高学年向けのつどいがあったらうれしいです。

 

皆さんご参加ありがとうございました。

 

文責 福祉の里どんぐり

安田香実

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