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求人内容:【契約職員】看護師
第8回 「吃音のつどい」を開催しました!
令和5年3月21日(火) 10:00~12:00
3年ぶりの対面開催となった、「第8回吃音のつどい」は、15家族が参加してくださり、久々の賑やかな会となりました。15家族のうち約半数は、今年度から相談を開始された方々でした。一番小さいお子さんが、今年4月から年少になられる3才で、上は小学校4年生と幅広い年齢層の方々がお集まりくださいました。後半の、保護者の交流会では、多くの経験談を聞かせて頂き、みんなで共感し、勇気をもらえる時間となりました。シェアすることの大切さを実感した時間でした。以下に内容をまとめましたので、参加された方もされなかった方も参考にして頂ければと思います。
☆おたのしみ会☆
①自己紹介
好きな食べ物や好きなことを話してもらいました。スイーツ好きが多かったですね。中にはお蕎麦が好きという渋~いお友達もいました。
②ダンス♪エビカニクス ~エブリバディ エビカニクスで エビカニクスで エビカニクスで おどっちゃお!~
③スピードクイズ これなんだ?
衝立と衝立の間を飛ぶ「物体」をよ~く見て何かを当てるクイズ。ドラえもんから始まり、バナナ、りんご、飛行機、魚、浮き輪、スヌーピー、ほうき、だるまさんなど。どれもすぐに当たっちゃって、みんなの目のいいこと!
◆交流会 2Gに分かれて行いました。2Gの司会をして下さったKさん、ありがとうございました。
【1G】
・小4 言いにくいことばが自分でわかるようになってきて、「サ行やラ行が言いにくい。」と訴えるようになる。しかし、授業中発言もしているし、前期は学級委員として頑張れた。クラスの中で話すのは吃音が出ても平気だが、全校の前で話すことに臆しているようだ。親としては、吃音を理由にやらないということにさせたくないので、背中をぐっと押している。
・年長 話したい気持ちが強くたくさん喋るが、話したいことがすぐに出てこなくてもどかしそう。今度1年生になるので、環境が変わったらどうなるか心配。
・小1 波がなくなり、一定の連発の症状で落ち着いていて、吃音があっても楽になったと感じる。親としては、いつもの事なので気にならなくなった。
・小1 吃音が出始めた頃に比べると、最近は症状の波なく連発で落ち着いている。本人は気にせずよく喋っている。クラスでも吃音は出ているが、温かく見守ってもらっているようだ。小学校の言語通級のグループ指導に月1回参加している。楽しそうだ。
・年長 年中から吃音が出るようになり、相談中。症状の波が激しい。今はピーク。周りの子どもたちには気づかれていないようだが、今後気にされるようになったら、吃音の事を話そうと思っている。波はどうしてあるのか?
*安田コメント
・吃音の症状の波について、はっきりとした理由はわかっていませんが、安田の考えとしては、理由の一つに、幼児期は言語発達期であるという事と関係があるのではないかと感じています。ことばの発達は、理解できることばをある程度頭の中にためこんでから、話しことばとして使いこなせるようになるので、吃音のあるなしに関わらず、言いたいことが適切な話しことばに置き換えられない時は、どうしても吃音の症状が多くなるのではないかと思われます。そんな時期を経て、ことばを使いこなせるようになると少し症状が落ち着くということがあるように感じます。(あくまでも安田の見解です)
・2歳児 母方の祖父と曾祖父も吃音があり、気になっていたので早くから相談している。波ありつつ、連発+難発が出ている。3才になって早めに就園したが、それまで母子分離不安がひどかった。4月から年少になり、環境が変わるので心配している。
・年長 話し始めが少し遅かったので、3歳過ぎてから吃音が出始めた。そのうち直るかと思って相談しないでいたが、ちっとも直らないので、最近相談に来るようになった。もっと早くから相談していればよかったと思う。
・小1 本人と相談して、入学後、担任から全校児童に対して吃音の話をしてもらった。子どもたちには、「話したいこと(内容)に注目する人間になろうね。」というような伝え方で話してくださったと聞いている。その他、子ども会には親が説明した。(昨年度のつどいで他の保護者がそういうことをしたと聞いて背中を押された)説明したことで、周りの子どもたちは理解してくれて本人は安心して過ごしている。
・小1 とにかく本人と吃音の事をよく話すようにしている。本人に心配なことを聞くようにしている。子どもなりにいろいろ考えているし、よくわかっている。おしゃべりなので園でもよく吃音が出ていて、真似る子がいたが、きちんと説明すればわかってくれた。「困るなら自分で言う。吃音のことを知らない子には教えてあげよう。」というスタンスで話をしているので、友達に何か言われたら、自分で説明をしているようだ。
・小4 入学後、子ども会では先に話をした。授業参観でクラスの子どもたちの様子を見て感じたのは、吃音以外にも、話し方にクセのある子、落ち着きのない子、外国籍の子などいろいろな子がいるということ。吃音がすごく目立つわけではない。
・3才 祖父や曾祖父が吃音だが、遺伝はあるのか?また、遺伝だと直らないのか?
・年長・小1 父親が実は吃音だったことが、本児が吃音とわかってから自覚した。
・年長 父親も吃音なので、言いにくいことばをどうしたら言いやすいか、例えば少し小さい声で言うと出やすいなどを子どもに伝えてくれている。
*安田コメント:お父さんが吃音だという方が複数おられ、しかも子どもの吃音が分かってから、再認識したとのこと。良き理解者(お母さんたち)がいれば、日々の生活で困ることはあまりないという事が実証されていますよね!結構身近に吃音の人っているじゃない、と盛り上がりました。
・小1 吃音の話をした時、笑ってごまかしているのは危険だと感じた方がいい。本人とフランクに話せるようになってから、以前のことを聞くと、人から「ゆっくり話して」とか言われたのはやはり嫌だったと言っていた。本人が困っているので、味方を作る気持ちで、周りの人にも話すようにしている。案外皆さんわかってくださる。
・小4 吃音はずっとあるものの、安定して楽に話せており、それがただの日常になっている。年齢が上がってきて、子どもが自分から吃音のことを親に話してくれることはあまりないので、親の方から普通に話題にするように心がけている。
・小1 初めて相談に来た時に、安田から、「吃音は直りません。うまく付き合っていきましょう。」と言われ、その時は付き合っていくってどういうことなのかよくわからなかった。親は、どんなに吃音が出ても最後まで聞くようにした。また、年中の担任がとても理解があり、本児の話をよく聞いてくれて、安心して話せる関係が作れたのはとても良かった。そういう大人との出会いが子どもを支えるのだと感じている。吃音は直らないけれど、楽に話せる環境をつくることが、うまく付き合うことだとだんだんわかってきた。
・小4 自分に厳しいので、宿題の国語の音読(タブレットに録音して提出)で、親が聞いていて気にならないのに、自分ではうまく言えていない部分があるらしく、何度も「クソッ!」と言ってやり直している。また、学校の担任から、学校で困っていることを書くカードに、「しゃべりにくい」と書いていると聞いた。担任に伝えられるというのは良いことだと思っている。前期の学級委員をやったが、クラスで話すことはよいが、全校の前で話すのは嫌だから、もうやらないという事を言ってきた。しかし、吃音を理由にやりたいことを諦めてほしくないので、゛逃げるなよ“という気持ちで、やりたいことをやり遂げるように背中を押している。本音としては、吃音が直らないかなと思うが、それはないので、うまく付き合っていくしかないと思う。親が不安そうにしていることは良くない。
【2G】
・小4 学校では、ほとんど出ない。程よく緊張しているのと、あまり話さないからだと思う。その分、家では堰を切ったように会話中ほぼ吃音(連発)が出ている。日直を一人でやらなければばらない時があるが、給食当番で「いただきます」の「い」が出ず連発が出てしまったことがあり、自分で何とかしたいとすごく考えた。「手を合わせてください。」とみんなに言い、みんなが「はい合せました。」と言った直後に前のめりになって言うと吃音が出なかったらしく、自分で出ないように工夫している。
・小1 今の所吃音の症状が落ち着いていて特に困ることはないが、国語の音読の時に出ないか心配していて、吃音から解放されたわけではない。
・小1 年中の頃から吃音が出るようになり相談している。年長の頃はけっこう波があり、出ない時は足を踏み鳴らすなどの随伴症状が出るほどだった。苦手なのは母音で、連発が続いた時期があった。2~3か月のスパンで波がある。1年生になって、本人も吃音のある話し方に慣れてきたのか、連発はあるものの随伴症状はなくなった。ただ、同年齢の男子に真似されることがあり、訴えてきた。本人には、「吃音はわざとじゃない、悪い事じゃないし、恥ずかしい事じゃないよね。」という事を伝え続けてきたので、初めの頃は、友達に言われてシュンとしていたのが、1年経って、少しずつ自信が持てるようになってきたと感じる。最近は、「わざとじゃないから、まねしないで!」と自分で言えるようになった。学童でも真似されたりすることがあるようで、親に教えてくれるので、「先生に言おうか?」と聞いてみるが、「自分で言えるから大丈夫。」と答える。年長の頃に比べると自分と戦って強くなっていると感じる。以前は母親が吃音が直ってほしいと思い、悩んだ時期もあったが、前回のつどいで、高山久美愛病院の田宮先生が、「吃音は悪い事じゃないし、親がマイナスに思っていると伝わる、環境を整えることが大切。」というお話をされて、そうだなあと納得し、吃音を受け入れていこうと思った。現在は大きいトラブルはない。
・年中 始めのことばを連発する。波があり、かなり連発が続いた時期は、本人も辛そうでどうしたらいいかと心配だったが、現在は、連発は出るが、気にせず話しており、周りの子も気にしていない。このままうまくいってほしい。
・年長 3才から出始めた。直るかと思っていたが、どんどんひどくなり、直らないんだなと思うようになった。すごくお喋りで吃音が頻繁に出るので、親としては、もう少し黙っていればいいのにと思うが、本人は話したいのでそういう訳にもいかず、歯がゆい気持ちになる。学校に行っても、友達との関わりの中でうまくやっていけるといいなと思っている。幼稚園から一緒に学校へ上がる子が少ないので心配。言語通級に通わせた方がよいのかも知りたい。
・年長 2才から吃音出始め、年少の前から相談に通っている。これまで特にトラブルはなかったが、最近、最前列で、「前へならえ」の声掛けをすることになったが、「ま」が言いにくく、連発が出てしまった。周りの子がそれを聞いて笑ったらしく、担任から、後ろの列にしようかと提案があったが、本人は「やりたい」と言ったので、そのままやることになった。しかし、その後、遠足でもその役があることが分かり、後ろに並びたいと言ってきた。親としてどう判断したらいいか迷ったが、吃音を理由に諦めることは、吃音をマイナスに捉えることになると思い、担任に相談して、吃音が出てもいいから頑張れるよう支えてもらい、結果、やり遂げることができた。今度1年生になると、そういう場面がいっぱい出てくると思うが、親がどう配慮していけばよいか難しいと感じている。
・年中 年少になる前から吃音が出始めた。連発+随伴症状あり。本人は全然気にしていないようで、本人に聞いてみると、友達が真似したりすることがあるようだが、笑って「大丈夫」と答える。吃音の事は本人ともオープンに話しているので、まあこのままでいいのかなと思っている。今度年長になるが、就学に向けて親としてどんな準備をしたらよいか聞きたい。
・年中 親が教員でクラスにたまたま吃音の児童がいる。担任としては、保護者とよく連絡を取り合うようにして連携が取れていると思う。親の立場としては、園の担任と密に連絡を取るようにしたことで、状況がよくなり子どもの成長も確認できた。今後もできるだけたくさん話がしたい。今度年長になるが、就学に当たり、みなさんがどう考え周りの人と関わってこられたか聞きたい。
・小3 年中から吃音に気付く。誕生会の時名前の母音が出なかったのがきっかけ。言語通級に通っている。お気に入りのうさぎのお人形に「いろちゃん」という名前を付けた。母音が言いにくいのに、どうしてもその名前にしたかったらしく、親が「くりーむちゃんにしたら?」と提案しても聞かない。吃音になって4年ぐらい経つので、もう治らないのかなと思うが、親としては治してあげたいと思う。1年生になる時は担任に本人と一緒に吃音の事を話してお願いした。その他、通学班の子には、吃音の事を理解していただくための手紙を書いて家のポストに入れて「よろしくお願いしします。」と伝えた。通学班は学年が違うので、伝えておく方がよいと思う。ただ、コロナ禍で通学班ではみんな黙って歩いているようだが・・。4年生になると日直は1人で言うことになっているようだが、本人は自信がないので友だちと一緒に言わせてほしいと言うので、担任と相談して配慮してもらうことになっている。本人が「ひとりでできる」と言うようになったらやらせてもらうことにしてある。一方で、運動会のような大舞台では一人でやると言う。クラスではあまり喋らないので、吃音はあまり出ていない様子。自己紹介は、自分の名前に母音があるので避けたい気持ちがある。
・年長 3才から連発が出始めた。ちょうどその頃、ドラマで福山雅治が演じていたので吃音だと分かった。その後いろいろ調べたりして、山田病院(岐阜市)に月1回相談に通ったが、遠いので最近福祉の里に変わった。本人はあまり吃音の事を気にしていないように思うが、これからが大事な時期になると思い、皆さんのお話を参考にしたい。
①就学前に園で担任からクラスの子どもたちに伝えてもらう
・小4 年長の時に担任からクラスの子に話してもらった。話してもらったら、(吃音の症状があることに)気づいていた子もいたし、新たに認識した子もいるなどいろいろだったが、園ではなしてもらったので、1年生になった時に、周りに吃音のことを知っている子が沢山いる事で、本人は安心できたと思う。
・小3 年長の時にクラスで吃音の事を話してもらった。クラスの半分が同じ小学校に進級したので、小学校に上がっても知っている子が多いので、困ったことがあってもその友だちが助けてくれているようだ。
②就学前に学校に伝えておく
・小1 違う園だったが、同じ学校に入学するの吃音の子が2人いたので、春休みに安田と親子2組で学校訪問して担任やその他関係する先生方にお話しをした。先に担任に知っておいていただくことで安心できた。
③就学してからクラスの子どもたちに伝える
・小3 1年生になった時、クラスで吃音の説明をしてもらった。本人は嫌がったが、親としては、幼稚園ですでに話してもらっているのでそれ以外のクラス半分の子が吃音を知らないので、何か言われることを避けたいと思い、本人を説得して担任に話してもらった。話してもらった日、家に帰って本人は「言ってもらってよかった。」と言っていた。気持ちがすごく楽になったようだ。だから、担任から早めに言ってもらった方がいいと思う。隠してもどうせわかることだし、仲の良い子だけでなく全員に伝えた方がいいと思う。それに、男子は話しても忘れたり聞いていなかったりして、その後吃音の事を指摘することがあったが、話してもらっていることで、すぐに担任や親に自分から相談することができた。
・小1 1年生になった時、同じ園からは1人しかいなかった。全く知っている子もいないし吃音の事を知ってくれている子もいない状態だった。たまたま他の園から来た子で吃音の子がいたので、クラスに数人は吃音の事を知ってくれていてラッキーだった。1年生になってから、吃音の症状がだんだん出るようになり、周りの子が違和感を持つようになったので、担任にクラスに話してもらおうかと相談したが、夏休み前だったので見送った。夏休み明けにはそれほど気にならない感じになっていたので、そのまま1年終わってしまった。2年生になったらまた担任と相談しようと思うが、今のお話を聞いて、症状がなくても話しておいた方がいいかなと思う。
・3~4年生ぐらいになって、周りの子も落ち着いてきた時に、吃音に気付く子が出てくると思うので、その時期こそ、担任からきちんとクラスに伝えてもらう必要があると思う。
③子ども会や通学班の保護者や子どもに伝える
・小1 子ども会では、本人があまり喋らないのとコロナ禍で開催もほとんどないので伝えていないが、仲の良い子の保護者には伝えている。理解してもらえて安心できる。仲良しの子が気の強い子なので、他の子に何か言われても、一緒に「(真似しちゃ)ダメだよ!」と言ってくれるようで、味方感があり、話しておいてよかったなと思う。通学班も静かに歩いているので、まあ言わなくていいかなと。
・子ども会の人数が4人と少ないのと通学班も一緒なので、「吃音」ということばは使っていないが、話し方のクセがあることは伝えてある。しかし、今後は活動が再開されるようなので、今後どうしようかなと思っている。
・子ども会は、全員で活動するので、仲の良い子ばかりではなく他の子にも全員に吃音の事は伝えておいた方がいいと思う。
・我が子は吃音で困っているけれど、他にも別の事で困っている子はきっといるので、自分が吃音で困っている子どもの事を伝えることで、他の保護者も言いやすい雰囲気が作れると思う。
④学童保育
・先生には吃音の事を言ってあるが、わざとふざけていると思ってからかってくる子はいるようだ。学童は開放感があって強くなれるのか、言われたら自分で「わざとじゃない。」と言い返したと言っていた。強くなってくれると嬉しい。
・担任同士の引き継ぎはあるようだが、担任からは、保護者から直接聞きたいと言われた。
・教員の立場から:書面でもある程度は伝わるが、直接話を聞かせてもらった方が、保護者や本人の気持ちがよく伝わると思う。
・小1 就学予定の学校では、朝の挨拶運動に力を入れていると聞いている。登校時に「おはよう」がスムーズに出ないことを、担任は知ってくれていても他の先生が知らなくて、この子は挨拶ができない子だと思われたら嫌だなと思う。
・今は、コロナ禍という事もあり、うちの地域では、大きな声で挨拶しなくても、お辞儀だけでもいいという事になっている。大きな声で挨拶する子もいれば、深々とお辞儀する子もいる。どっちでもいいと思う。お辞儀は無反応ではないから、気分はいいかも。でっかい声で言いにくかったら(声が出なかったら)、ちゃんとお辞儀すればいいんだよと伝えておけばいいのでは。
・入学の時に、市内の通級(通級指導教室)や支援学級の一覧表がもらえた。利用希望は市の教育委員会に相談し面談がありその後通知が来て開始した。自分の学校に通級がない場合は、親が地区の学校に送迎が必要。週1回教科の1時間分。その時間は欠席扱いにはならない。自分の学校内に通級があると親の送迎は不要。利用に際しては子どもの気持ちを聞いてみること。クラスで緊張状態が続いているようなら、息抜き的に利用する方法もあるし、途中でやめてまた再開することもできる。
・小3 クラスでは発言が少ないが、通級だと家と同じくらいリラックスして先生と話ができるので、学校にそういう場があることはいいかなと思って通っている。
・小3 言語通級に通っているが、どちらかというと子どもというより親が先生と話すことで安心している方が大きい。子どもは、通級の先生と1対1の遊び(活動)を通して、クラスでうまく言えないことのストレスを発散しているようだ。
・小3 ドッジボールクラブに入っている。同じ学校の子はいなくて、学年も地域もバラバラだが、週末参加するのを楽しみにしている。吃音以外の事で嫌なことがあっても発散でき、リセットできるようなので、学校以外に夢中になれる場所があるのは大切だと感じる。学校と同じく、そこでも吃音は出ていなくて、二面性がある。本人がしんどくなさそうなので、今の所はこれでいいかと思っているが、今後は、こうした会にも参加しながら、将来まで見守りが必要かなとは思っている。以前は、ブロックと随伴症状も出て話しにくそうだったが、現在は、家では連発と少し伸発が出るが楽に話せている。
・年長 就学して、もし音読や日直で吃音が出るから学校に行きたくないと言ってきた時に、親としてどう声をかけたらよいのか?
→小1 「吃音があるから言わなくていいよ。」というのは、吃音はダメなことなんだと自信がなくなってくると思うので、間違ってもいいから、親としては、「頑張れ」としか言わなかった。大人になっても吃音と付き合っていくことを考えたら、基盤を今作っておかないといけないと思うので、「わざとじゃないんでしょ、先生も知ってるし、大丈夫!」と言うようにしている。
→小3 低学年のうちは、調子がいい時は一人で言うが、そうでない時は、友だちと一緒に言う(斉読)ように配慮してもらっている。クラスの子には話してあるので、本人だけそういう配慮があっても理解してくれている。なので、本人は音読が嫌いにはなっていない。
・授業参観に行ったら、うちの子は吃音だが、吃音でなくてもうまく話せないとか、手を挙げられないとか、落ち着きがないとかいろんな子がいるので、吃音が特別目立つという訳ではないなと思った。すごく心配性なので、例えば、翌日の国語の音読が回ってくるが、吃音が出たらどうしようなどと言っている。それに対し、「吃音じゃなくても上手に言えない子がいるから、大丈夫だよ!みんなそんなうまいわけじゃないから大丈夫。」と言って本人の心配感を減らしている。
・同感。授業参観に行った時、うちの子は少し吃音が出ていたが、他の子で、そもそもうまく表現できない子もいるし、歩いている子もいたりして、吃音があることはほんのちょっとの事なんだと感じた。ほんとにいろんな子がいるから、むしろ、吃音は地味で目立たない。
・1年生にあがる時は、ものすごく心配だったが、入ってみると、1年生はわちゃわちゃしていて、落ち着きない。3~4年生あたりで、ようやく落ち着いて大人っぽくなる。
・大きい学校なので、学年が変わるたびに話さないといけないと思うが、そういうことを続けることで、吃音の事を知っている子がどんどん増えていくと考えると、みんなで増やしたいね!
・年中 お喋りで、園でも家庭でも吃音が沢山出ている。
→園や学校と家庭に吃音の差がないという事は、ストレスがなくリラックスして過ごせている証拠なので、いい事なのでは?吃音は出ないより出た方がいいよね。連発ぐらいで出ているのが楽でいいと本に書いてあったし、本人にも連発で話せばいいと常に伝えている。
・今後ずっと付き合っていかなければならないのだから、自分で言えるように強くなってほしいと思う。親が出ていける限界がある。ずっとついて行けるわけではないので。
・中学はまだ近いから親が学校に行って先生とすぐに話したりできるが、高校になると、自分で説明できるくらいになってほしいな。
・父親にも吃音があるので、本人に助言してほしいと頼んだら、子どもに、「何か言われたら、自分で言うように。」と助言していた。本人は「そんなん自分で言えん。」と答えていたが、「いつまでも、ママがついて行けるわけじゃないから、いずれ自分で言わなければならない時が来る。」と話してくれた。吃音は直らないという事はわかっているし、自分で何とかしないといけないことを少しは理解していると思う。ただ、高学年になって、自分の吃音にイライラすることが出てきた。そんな時に親がいろんなことを知っていないとアドバイスしてやれないので、菊池良和先生の本を読んだりして安心材料にしている。(大事な箇所に付箋を貼って有効活用している)親の助言で本人の怒りは収まらなかったが・・・。中高生になったらどうしたらいいかというのはちょっと心配ではある。吃音以外の事でも悩みは出てくるだろうが、少なくとも吃音の事は本とか読んで、しっかり理解しておきたいと思う。
※安田コメント:会話の中で、ちょっと誤解されていたようなので訂正しておきますね。前回の吃音のつどいに参加してくださった高山久美愛病院の先生は、言語聴覚士 田宮久史先生、本をたくさん出しておられるのは、九州大学の耳鼻科医師 菊池良和先生です。お間違えなきよう!
[参加者の感想]
・高学年になり、(吃音を)特に気にすることなく過ごす日々です。低学年のうちに“周りに話すこと”や“安心してどもってもいいんだ”という事、それによって自分が楽になったこと、友達や先生から助けてもらったこと、そんな成功体験の積み重ねで今の彼がいるんだと思います。土台のようなものがしっかりとできているように感じています。これから学年が上がるにつれて悩みや葛藤も変化していくと思いますが、子どもがいろんなことに自信を持ってチャレンジできるようにサポートしたいと思います。
・今日も色々なお話しを聞けてたくさん考えさせられましたし、すごく参考になりました。吃音は学校ではあまり出ていない状況で、担任との話題にも上がらなくなっていますが、新学年になったら改めて担任の先生とお話しする機会を持とうと思いました。高学年になってくるので、そろそろ自分自身で吃音の事を周りに伝えたり、吃音が出てイライラした時の発散法を身に着けたりしていけるよう、アドバイスしていきたいです。
・久しぶりの対面でのつどいということで、直接会っていろいろお話しできてよかったです。とにかく、周りの人に吃音について知ってもらうと自分も楽に生活できると思います。ただ、今心配しているのは、中学生になって相談先がない事です。吃音と長く付き合っていくことになると思うので、中学、高校、大学と大きくなっていく時の関わりが難しくなると思いますが、そんな時にこのつどいがあれば、当事者同士で悩みを共有したり相談したりできるのでとても心強いと思います。
・色々な話を共有してもらえる環境、人達にありがたさを感じることができました。吃音が、珍しいことでも重い出来事でもない世の中になるように、普及活動がやはり大事ですね。今回のように、吃音を持つ親さん同士の関わりが多いと不安も少し解消されると思います。私も息子も性格上前向きに生きたいので、アドバイスが極端になりがちですが、明るく伝わっていればありがたいです。子どもたちがいっぱい話をできる環境は親が作れるものなので、そこから始めてほしいです。*安田コメント:力強い数々のお言葉、勇気づけられましたよ!
・父親に吃音がある方が何人かおられ、それでも、皆さん「個性と思っていたから気にしていなかった。」とおっしゃっていて、吃音をこんな風にあっさり受け入れてくれる人が、この座談会だけでこんなにいるなら、世の中ならもっといると思いました。からかわれたり、悩んだり、辛い思いをすることはあるだろうけれど、受け入れてくれる人は、からかう人よりずっと多いと思えました。学校や先生もしっかり受け入れて下さっているので、子どもは安心して常時吃っています。毎日楽しそうにたくさん喋っている様子をみていると、吃るって大したことじゃないなーと親も楽観できるようになりました。
・学年が変わるごとに環境が変わって不安な時ですが、子どもと一緒に頑張りたいです。
・実際に小学生の子を持つママさんたちに、実際の出来事やトラブル、その対応など聞かせていただけて参考になりました。また是非参加したいです♪
・直接集まれて、前回よりもたくさんの事を話せたと思います。心配していた学校生活も皆さんの話を聞いて安心しました。先生やクラスの子に吃音の事を知ってもらうことが今の時点では一番大事かなと思いました。また皆さんとお会いしていろんな話を聞きたいです。
・初めて参加しましたが、皆さんすごく吃音としっかり向き合っておられてびっくりしました。吃音は治らない。じゃあどうやって吃音と向き合っていくか・・・。
・初めて参加でき、色々な方のお話しが聞けてとても参考になりました。まだ吃音が出始めたばかりで、一喜一憂している気持ちを、「うちも始めの頃はそうだった!」とわかってくださったのが嬉しかったです。先輩の皆さんは、そのような感情の波を乗り越え、吃音を受け入れ、わが子を信じている姿が、とても頼もしく思えました。そして、吃音があってもそれが悪い事でも恥ずかしい事でもないという事をきちんと理解していて、前向きに挑戦していると聞いてとても励みになりました。子どもの事を信じ、見守りつつも何かあったらすぐ親子で話し合える関係性でいる事が大事だと思いました
今回も充実した内容のつどいとなりました。安田もパワーをたくさんもらいました。皆さんご参加ありがとうございました。
文責 安田香実
令和5年3月30日 午前10時3分……
今回は、福祉の里、全職員で行方不明者捜索マニュアルに従い捜索する
訓練を実施いたしました。
(想定)
☆者施設の50代男性が活動中に居なくなったという想定での訓練です。
1.該当施設職員から報告
2.該当施設職員が建物内を捜索
3.他施設への協力依頼(周辺施設へのFAXでの協力依頼)
4.施設外の捜索開始(警察への通報)
5.目撃情報有り(全職員へのメール配信)
6.行方不明者の発見 → 本部へ連絡 → 全職員へのメール配信
今回は、 午前11時00分 行方不明者の発見 訓練終了。
後日、訓練の反省を行い、捜索マニュアルの修正をしました。
捜索マニュアルの確認をしました。
各グループに分かれ捜索開始!
行方不明者無事発見の報告。
捜索終了!各グループが戻ってきました。
【虹の家】令和5年3月10日(金) どら焼き作りをおこないました
どら焼き作りに初挑戦しました!
“あー、焦げちゃう!!”と、ホットプレートの温度に気を付けて一枚一枚焼きました。
焼けた後は、あんこ、生クリーム、チョコレート
“何をいれようかな?!”と迷いながら、一人一人オリジナルどら焼きを完成させました。
【友愛の家】令和5年3月20日(月) 4つのグループに分かれて災害時でも活用できる鍋での炊飯をおこないました
レトルトはカレーの甘口、中辛、ハヤシから好きなものを自分で選びました。
「僕からいの苦手だからなぁ」や「今回はハヤシを選んだんだよ」などの会話がありました。
無洗米を1時間浸水するところからスタート!沸騰したら小さな火加減で10分炊飯。15分蒸らして出来上がりです。途中お米が炊ける甘い、いい香りがしていました。
どのグループも焦げることなくできあがりひと安心。
蒸らしている間にデザートの『フルーチェ』も作り、みんなで美味しくいただきました。
《利用者からの感想》
・コロナウィルス感染症対策で3年間中止していた行事がまたひとつできたことがとても嬉しかった。
・ご飯がおいしく炊けてびっくりした。
・カレーもデザートもみんなと食べておいしかった。
素敵な時間を過ごすことができました。
令和4年度 社会福祉法人各務原市社会福祉事業団職員採用試験(令和5年2月19日実施)合格者は下記の通りです。
採用人員 3名
1002 2001 2002
(補欠合格 1001 3002)
以上
令和4年10月30日(日) 14:00~16:00に、【第7回 吃音のつどい】・オンライン第3弾を開催しました。
今回は、7家族が参加してくださいました。そして、前回に引き続き、高山の久美愛厚生病院の言語聴覚士 田宮久史先生が参加してくださったのに加え、蘇原第一小学校言語通級を担当されている、横枕(よこまくら)先生にもご参加頂き、通級での吃音児の集団活動を紹介していただくなど、より充実した内容となりました。
☆Zoomでゲーム☆
まず、自己紹介。好きなことや好きな物を言いながら、自己紹介しました。
好きなことの話の時は、みんなウキウキするね。栗拾いにはまっているなんて人もいましたね⁈
①コレなんだ?クイズ
横枕先生が用意してくださった、蘇原第一小学校の通級指導教室で実際に使われた「物当てクイズ」をしました。
形の一部からだんだんたくさん見えていく間に当てるというものです。しかも、答えがしりとりになっているという手の込みよう。みんな勘がよく、すぐに当ててくれました。
②お絵描きしりとり
ミュートにして音声を消したまま、絵だけでしりとりをしました。
りんご⇒ごはん⁈(きのこ)⇒こま(うでどけい)⇒いちご⇒ごりら(さる)⇒るびい(へた)・・・
※( )は、次の子が書き手と違うものにとらえた名称です。みんな画伯だぁ!
◆交流会
★自己紹介と近況
・小4 小学校に上がってからも吃音はずっとあるが、困り感はなくなり、馴染んでいる。目立たなくなってきていると感じる。
・小3 吃音の事をクラスの子たちもよく理解してくれているので、本人の不安感なく安心して過ごせている。
・小1 就学後のことを心配していたが、落ち着いて陽気に暮らしている。月1回吃音のグループ活動(言語通級)に参加させてもらっている。
・小1 支援級8人のクラスに通っている。クラスのみんながよく理解してくれていて、楽しく通っている。
・小1 吃音の事をクラスの子どもたちにまだ話してもらってはいないが、本人は落ち着いていて、吃音の事を気にせず毎日過ごしている。ただ、音読計算カードは時間を計るので、つかえたりしてうまくできないことへのジレンマがある。
・年長 就学後、指摘されたりして本人が嫌な思いをしないか心配。
・年中 本人から、「友達にまねされる」との訴えがあり、担任にお願いしてクラスで話をしてもらった。その後は指摘などもなくなり、安心して過ごしている。
・年中 最近どんぐりの相談に行き始めた。吃音が出てうまく話せなくて怒ったりしていたが、最近は、家では吃音が出ても、いっぱい話せるようになってきた。
❤田宮先生からのコメント
・「吃音に馴染んでいる」という一言、この感覚がとても大事、嬉しい!
★1年生の国語に早口ことばが出てくるが、どうしてもできないと本人が悩んでいる。
小3 早口ことばだと吃音にならなかったと本人は言っている。(リズムに乗れると滑らかに出るのかも?)
小1 早口ことばではなく、音読で吃音が出やすいが、早く読むことが目的ではないので、つまっても正しく読めればいいよと話している。
❤田宮先生コメント
・基本的な事として、吃音は出てはいけないものでしょうか?吃音の出初めの頃は、吃音(連発)が出ても楽にたくさん話せていたと思う。その感覚がずっと続けば吃音は悪化しない。ところが、吃音は出てはいけないもの、と思ってしまうと、伸発になり、難発になり重症化していく。学校や園で、クラスの子どもたちに吃音の事を話してもらったという人がいたが、家庭と同じように、園や学校のみんなが自分のことをわかってくれて、吃音が出ても安心して話せる場所になると、子どもたちはとても心が楽になり、おそらく、連発だけで過ごせるようになる。しかし、園や学校のみんなが、吃音のことをわかってくれていなくて、隠さなければならないような場所になると、すごく努力して話そうとするので、難発になってくる。なので、そういう場所にしないこと。
・音読・計算カードや早口ことばは、早く言う事が求められるが、吃音のせいで時間がかかってしまうことに対しては、早く言えたという事よりも、まず、挑戦したということ、最後まで努力したということを褒めてあげることが大切。できれば、担任には、本人がいる場所でクラスのみんなに、早く言うことが目的ではなく、チャレンジすることが大事な事であるという事を伝えてもらえるとよい。担任と相談し、本人なりの努力を認めてもらえるようにしていただく。子どもに対しては、挑戦したことを、しっかり褒めてあげましょう!吃音が出ている自分のことを肯定してくれる人がいて、それを伝えることがとても大事。
★小4 吃音がひどく、苛立っているのは相変わらず。今年度から、担任の勧めもあり、通級のグループ学習に参加している。最初は、通級が恥ずかしいのか嫌がっていたところもあったが、今では抵抗がなくなり、グループの他の子と自分の吃音を比べて(客観的に)話をしたりするようになった。一人じゃないと思っているのかと思う。学級委員として、失敗?を繰り返しつつも彼らしく頑張っている。サッカーの県大会出場が決まり燃えている。
❤田宮先生コメント
・苛立ちの原因は何だろう?難発が多い子は、サッサと言えないことがもどかしいという苛立ちがある。それだけなら努力していることを認めてあげればよいが、みんなの前で吃音が出ることが恥ずかしくていやだから苛立つのであれば、対応をちゃんと考えなければいけない。苛立つ理由をきちんと話し合って、子どもの気持ちを聞いてあげて下さい。
★高学年になり、あまり自分のことを話してくれなくなった時、親から吃音の事を聞くのはストレスになるのか?それとも話せる時間があった方が楽なのか?
❤田宮先生コメント
・吃音のことに触れない方がいいという事はない。年齢が上がってくると、吃音の事はデリケートになってくるので、話すのを嫌がる子はいる。しかし、いつだって吃音の事を話せる場所がある安心感は作ってあげてほしい。
・吃音のことを話す時に気を付けてほしいこととしては、大人が、「どう、最近大丈夫?」と言う聞き方をしてしまうこと。こう聞かれると、子どもは、「だいじょうぶ。」と答え、親は安心しがち。しかし、その「大丈夫」は本当の意味なのかというのは、年齢が上がってくるほどわからなくなるので、どうして大丈夫なのかを深く聞いていくことが必要。「大丈夫」と答えていても、実は、学校では答えが分かっていても吃音が出るのが嫌だから手を挙げないようにしていたり、音読も当たらないようにトイレに行ったりしてかわしているなどという状況だとしたら、大丈夫とは言えない。吃音の事をみんなに分かってもらっているし、自分でもみんなに、詰まりながら話せるほうが楽なんだということをちゃんと友達に伝えられるから大丈夫というのであれば、本当に大丈夫といえる。子どもに丁寧に聞いてあげる時間をもつことが大切。
・子どもたちは、吃音を真似されたり指摘されたかを聞くと、「わからん」とか「知らん」とか「忘れた」とか、話題をそらしたりすることがあるが、親は、その時の気持ちをしっかり受け止めて、「みんなに吃音の事をわかってもらうように、ちゃんと話すからね。任せてね。」と伝えてほしい。そして、園の先生とも連携してクラスの子どもたちに、きちんと伝えてもらうようにしていくと、本人は安心する。
・吃音は、たくさん出ている方が、その子にとっては楽な気持で話せているので、出ていることを悪い事だと捉えないでほしい。
◇安田コメント
・少し前に読んだ、吃音当事者の本に、大人になって、吃音が出ないように「言い換え」という工夫をしてきた人が、言い換えている自分に罪悪感をもつ様になり(吃音を隠していることに)、あえて、吃音が出る素の自分に戻して楽になったという事が書かれていたことを思い出した。(「どもる体」伊藤亜紗著 医学書院P210)
★蘇原第一小学校での「吃音のグループ通級」の活動の紹介(横枕先生)
・グループ通級を行っているのは、市内で蘇原第一小学校だけ。対象者は全市内の児童だが、今年度はコロナ禍で、蘇原中校区の児童に限定している。現在は6名。
・大切にしていること:吃音を直すのではなく、安心して話せる場をもつこと、担任とつなぐこと、吃音を持つ仲間と出会えること。周りへの理解のために、家庭-担任-通級を繋ぐ、交流ファイルでやりとりしている。
・クラス担任に吃音の事を理解してもらうために、年度初めにパンフレットを渡すなどして、本人が安心して話せる学級にしてもらうようお伝えしている。
・グループ活動(月1回):みんなでゲームと必ず、「きつおんすごろく」をやっている。すごろくは、カードにかかれている事に答えたりしながら進めていくものだが、例えば「吃音が出やすいのはいつ?」に対し、全員が「朝」と答えて盛り上がったりした。学年が上がってくると、友達と吃音の話をしたいという気持ちが出てくるようだ。グループでは、安心して話せるし、仲間から学べ、一人じゃないと思える。
・個別指導では、たくさん話すことを大切にしながら、運動やクイズなどを行っている。通級に来ている子は、みんな優しくて誠実で、周りから好かれている子が多いので、担任とよく話し合っていけば安心して学校生活が送れる。
・大切なのは、自信を無くして話さなくなる二次障がいを防ぐこと。吃音の人も、吃音が出ない人も、つまってもいいと、世界中の人が思うことが大切!
★那加第三小学校の言語通級に通っている中でのちょっといいエピソードより
(小規模だが、月1回グループ活動があり、その時、保護者で話し合う機会で出た話し)
・通級に通うまでは、吃音が出ると悲壮感があったが、通級を利用することで吃音の話ができるようになり話し方が和らぐようになった。
・それまで、吃音の事を相談しても「気のせい」とか「全然出ていないよ」と言われ、あしらわれ続けていたが、通級に通うようになり、依然として難発はあるものの、お子さんが楽しそうにしているので安心した。
これらを聞いて、周りの支えがいかに大切なのかを改めて実感した。
★言語通級ってどうやったら通えるの?
・教育委員会で必要と判断されると通うことができる。但し、全ての学校にあるわけではないので、ない場合は近くの学校に通うことになる。(就学後、担任と相談してください)
・吃音のあるすべての子が通っているわけではないし、必要に応じて利用すればよい。ただ、親も子も相談できる場はあった方がよいと思う。特に、中学年(3・4年生)ぐらいになった時に、吃音のある友達と話せたり共有する場があると子どもにとっては安心できると思う。
★運動会の時、全校の前で挨拶をしたのに、クラスの日直当番は友だちと一緒にやりたいと言う。これって、どういう心理状態?(小3)
・親としたら、逆だろうと思うが、どうしてなのかわからない。本人に聞いてもよくわからないと答える。
・運動会の挨拶は自ら希望し、よく練習して、上手に言えた。本人は、普段吃音があることを気にしておらず、このままでいいやという感じ。
◇安田コメント
・3年生になり、少し挑戦してみようという気持ちになったのではないか。結果がどうであれ、チャレンジしてみようという気持ちを持ったことがすばらしい!褒めてあげたい。
❤田宮先生コメント
・よく知っている友達の前の方が緊張度が増すということはあるのかも。知らない人が沢山いる中全校の前では、適度な緊張感で吃音がでなかったのではないか。一般的に、吃音が最も出やすいのは、話したい気持ちがものすごく高まっている時と、出たらどうしようという不安感が強い時。親の前など、安心して話せる場面では吃音が沢山でやすい。この吃音は楽に出ていて心理的な問題もない。一方、吃音が出たらどうしようという不安感が強い時にも吃音が出やすいが、この時は吃音の事を否定的に捉えてしまいがち。吃音が出にくいのは、適度な緊張感がある時と独り言(第三者に向けての気持ちがない時)。
★1年生になって思う事
・年中や年長の保護者の方の不安は、本当によくわかる!だけど、小学生になると、上の学年の子ども達との関わりが増えるが、吃音のことをきちんと子どもたちに伝えれば(知らないだけなので)、認めてくれる友達もいっぱいできて、親としては、もう少し大らかな気持になれる。小学生になると、子どもたちの理解力が高まるので、自分の吃音の事を友達に説明すれば、素直に受け入れてくれる子どもが多いと思う。子ども同士の方がわかり合えるように思う。そして、お互いの視野が広がり、いい方向へいくように感じる。日々、心配は尽きないが、年齢が上がるにつれ、自分で理解し不安を取り除く方法を見つけたりして、落ち着いてくるのではないかと思っている。
・年中、年長は不安で、治らないかなあと思って過ごしていたが、吃音は悪い事ではないと思えるようになってから、子どもの個性だと捉えられるようになった。年齢が上がってくると、吃音があっても、そんなに気にしなくなるのではないかと思えるようになった。「吃音のつどい」に参加して、先輩の方の話を聞くと気持ちが楽になり、心配に思う事が減ってきた。
・幼稚園の時はすごく心配していたが、学校に入ってから、周りの子どもたちから何も言われたりすることなく過ごしているが、放課後等デイサービスの先生に、「吃音はどうしたら治りますか?」と聞かれたとことがある。
【感想】
◆スタッフ齋藤
小学生になると、親より、先生や友達・仲間に認められたいという気持ちがどんどん強くなってくるので、そういう場を保障してあげられることが必要になるので、その都度、相談に乗れる関係を作っていきたいですね。
❤田宮先生
・1年生の保護者の方たちが、今安心して過ごせているという時期を過ごせているという事がすごく嬉しい。今後、学年が上がるにつれて相談できる場や相手が変わってくるが、相談できる相手がいる事がすごく大事。中高生や成人の吃音の相談を受けているが、相談に来るまで、吃音の対応をされてこなかったので、すごく苦しい状況になっている。それまで、吃音を隠そうとして生きてきて苦しんできた人に、周りに話してみたらと提案したところ、びっくりされたが、話してみたら意外に理解が得られ、その後、吃音はあっても楽に話せるようになったと言う事例がある。成人になると、ほぼ100%難発の症状になるが、その人は、その程度が軽くなり、頻度も減ってきた。何より、吃音が出ても恥ずかしいと思わなくなってきたとのこと。そういう事例を顧みて、皆さんがこれまでされてきた対応をこれからも続けることで、間違いのない人生が歩めると思う。今後もこうして交流できる場が続くといいなと思います。
◆参加者のアンケートより
★保護者
・年長の頃に比べると、かなり不安がなくなりました。今回も皆さんのお話を聞けてとても勉強になりました。1番大切なことは、本人が気を遣わずお話ができる環境を作ることだと教えていただけたので、今後も担任の先生などと連携をとって様子を見ていこうと思いました。
・親御さんのお話や学校での取り組みを詳しく聞けて安心しました。今後も子どもと楽しく話して吃音と向き合っていこうと改めて思えました。そしてまわりにも理解者を増やすべく話していけたらと思いました。
・田宮先生のお話で、高学年以上の吃音をもつ子どものこの先起こりえる変化のお話しが聞けて参考になりました。本人の様子を見て取り入れていきたいと思います。思春期のエピソードも聞きたいと思いました。
・年下のお子さんたちのお話は、自分たちが通ってきた道だなと思います。応援したい。
・通級に楽しく通っている子どもを見ていると、よかったと思います。グループ内で場に慣れない子が話し出すのを暖かくみんなで待ったりフォローしたりする様子を見ていると、吃音という枠を超えて大切なことを経験させてもらっていると感じる。(通級に通うか通わないかは、それぞれの考えで、正解はないと思います)
・小学校に上がる時の漠然とした不安がありましたが、問題を抱えつつも絶望的ではなく、軽減させる環境調整もできるんだと知り、明るい気持ちになりました。
・同じ悩みの人と交流するってこんなに気持ちが晴れるんだなと思いました。環境調整で子どもが安心すると知り、少し気持ちが楽になりました。特に、学校の先生にどうやって協力を得たらよいのか悩んでいたので、大変勉強になりました。
・年齢によって悩みが違ってくるということを強く感じました。学年が上がると環境も変わってくるので、心配なことも多々ありますが、何かあればすぐに相談してくれるように子どもとコミュニケーションをとっておくことが大切だと思いました。
・子どもに、「(吃音の調子)大丈夫?」と聞いて、「だいじょうぶ。」と答えた時、もっと詳しく大丈夫の中身を聞き出すことが大事だと言うのはとても参考になりました。これからも子どもが過ごしやすいようにサポートしていきたいと思います。
★子ども
・吃音は悪い事じゃないと言われて、嬉しい気持になりました。ゲームも楽しかった。
・通級楽しそう。行きたい。
・自己紹介は恥ずかしくてできなかったけど、クイズやお絵描きは楽しかった。周りに吃音のある子がいないので、こういう機会があると嬉しい。(田宮先生のお話を頷きながら聞いていました。母談)
文責 安田香実